アフリカ工業化指数、モロッコが南アを抜き初の首位に
(アフリカ、モロッコ、南アフリカ共和国、エジプト、チュニジア、モーリシャス、アルジェリア、エスワティニ、セネガル、ナミビア、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ジブチ、ガボン)
調査部中東アフリカ課
2026年06月01日
アフリカ開発銀行(AfDB)は5月24日、「アフリカ工業化指数(AII)2025
」を発表し、2010~2024年におけるアフリカ54カ国の工業化の進展を評価した。総合順位では、モロッコが、2010年以降一貫して首位だった南アフリカ共和国を初めて上回った。背景には、継続的な産業高度化、輸出多角化、戦略的な産業政策の成果があるとした。一方、南アは依然としてアフリカ有数の工業国であるものの、工業競争力の低下が指摘された。
AIIは、工業化を次の3つの軸における計19指標で評価する。
- パフォーマンス(主な指標:製造業付加価値や輸出額など)
- 直接要因(主な指標:対内直接投資残高、就学期間、インフラ開発指数など)
- 間接要因(主な指標:市場規模、ビジネス環境、債務残高など)
2010~2024年にかけて、54カ国中41カ国でAIIスコアが改善し、大陸全体のスコアは6.0%、中央値は6.4%上昇した。また、製造業付加価値は2020年の2,850億ドルから2025年に3,510億ドルへ増加した。
AIIスコアの上位10カ国は次のとおり。
- 1位:モロッコ
- 2位:南ア
- 3位:エジプト
- 4位:チュニジア
- 5位:モーリシャス
- 6位:アルジェリア
- 7位:エスワティニ
- 8位:セネガル
- 9位:ナミビア
- 10位:コートジボワール
順位上昇が目立った国には、コンゴ民主共和国(DRC)、ジブチ、ガボンなどが含まれる。特にコンゴ民主共和国では、1人当たり製造業付加価値(MVA)が2倍以上に拡大し、生産能力も大幅に向上した。
地域別では、北アフリカが引き続き最も工業化が進み、南部アフリカが続く。東・西・中央アフリカでは緩やかな進展がみられるものの、北アフリカや南部アフリカとの間にはなお大きな差がある。
ただし、AfDBによると、アフリカが世界の製造業生産に占める割合は2%未満、世界の製造業輸出に占める割合は1.4%にとどまる。工業化を大陸規模で拡大しにくい背景には、域内生産連携の弱さ、中間財貿易の少なさ、産業エコシステムの分断があり、こうした課題は、アフリカ域内貿易の少なさ(全貿易の14.4%)にも表れているという。今後の工業化加速には、各国の産業戦略に加え、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)を通じた域内統合、域内バリューチェーンと産業回廊の開発、経済特区(SEZ)や工業団地の戦略的展開、インフラ・人材・イノベーションへの投資などが重要だと指摘している。
(天神和泉)
(アフリカ、モロッコ、南アフリカ共和国、エジプト、チュニジア、モーリシャス、アルジェリア、エスワティニ、セネガル、ナミビア、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ジブチ、ガボン)
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