若者のニート100万人超、政府は30万件の職業体験・研修枠を設置

(英国)

ロンドン発

2026年06月04日

英国国家統計局(ONS)は5月28日、センサスに基づくデータと分析を公表した。それによると100万人を超える若者が教育、就労、職業訓練のいずれにも従事していないニート(NEET)状態にあることが明らかになった外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。2026年1~3月に、英国でニートに分類された16歳から24歳の若者は101万2,000人と推計され、全若者の13.5%を占めた。前年同期比で8万9,000人増加し、2025年10~12月と比べて5万5,000人の増加となった。ニートのうち失業者は約40万人、経済的な活動をしていない若者は約61万3,000人だった。

同日、若年失業の原因を特定するため、英国政府が委託したアラン・ミルバーン元保健相による若年層の失業に関する中間報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも公表された。同報告書では、仕事を探していない若者が増加し、若者と労働市場との接点の消失が経済的リスクとなっていると問題提起した。従来の教育、保健、福祉の各制度では若者への支援が不足しており、適切な対策を講じなければ、5年以内にニートの割合が16%を超え、十分に社会参加できない若者が125万人超となる可能性を指摘した。2026年後半に公表予定の最終報告書では、望ましい若年層の参加支援制度のあり方を明らかにするとしている。

英国政府は5月29日、全国の若者の雇用を支えるため、30万件の新たな職業体験・研修の受け入れ枠を設置した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。建設、医療・福祉などが主な対象業種であり、現在のニート増加傾向を食い止めるための措置である。30万件の受け入れ枠は、対象業種での職業体験および「分野別就業訓練プログラム(SWAP、注1)」で構成されている。

本措置は2024年11月に決定した若者向け研修・就業支援政策である「ユース・ギャランティー(注2)」を加速させるものだ。同政策には、失業者・低所得者への社会保障(ユニバーサル・クレジット)を受給かつ6カ月以上求職活動を行っている若者を雇用した企業に対し、1人につき3,000ポンド(約64万5,000円、1ポンド=約215円)の助成金を支給する「ユース・ジョブズ・グラント」制度や、25歳未満の若者の中小企業での見習い制度にかかる費用の全額補助などを通じた制度枠の増加も含まれる。

(注1)16歳以上で失業手当を受給している求職者を対象に、研修や職場での実務経験、面接の機会を保証する政府が資金提供している短期プログラム。

(注2)8億2,000万ポンドの資金を投じた政府プログラムであり、35万件の新たな研修・就業機会を創出し若者に支援を提供することを目的とする。

(バリオ純枝)

(英国)

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