米カリフォルニア州の経済成長は全米平均を上回るも、雇用の伸びは弱く「二極化」進行の見通し
(米国)
ロサンゼルス発
2026年06月10日
米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校アンダーソン経営大学院が6月3日に発表したカリフォルニア州経済の最新の経済見通し
によると、同州経済は引き続き成長を遂げる一方で、雇用面では弱さが目立ち、「二極化」が進行すると指摘した。
二極化は地域間ではなく産業間で生じており、ハイテク産業が盛んな同州では人工知能(AI)や航空宇宙などの先端分野で好調が続く一方で、そのほかの産業は相対的に伸び悩みがみられるという。
2025年第4四半期における同州の経済成長率は全米平均を上回り、2026年第1四半期も同様の傾向が続いたと推計されている。特にテクノロジー分野への投資は旺盛で、同州は引き続き多額のベンチャーキャピタル資金を引き寄せ得るという。
今後は商用航空機や防衛関連製品、宇宙産業向け需要の拡大が見込まれており、2026年後半から2028年にかけてこれらの産業が成長を支えると期待されている。
その一方で、労働市場は依然として脆弱(ぜいじゃく)で低迷続くとの予想で、失業率は27カ月連続で5%を上回り、2026年4月時点で5.3%となっている。給与支払いベースの雇用者数は2025年に5万6,600人増、2026年1~4月までで9万7,200人増と堅調にみえるが、1世帯当たりの調査では同期間に11万1,000人の雇用減少、労働人口も15万8,000人減少と、異なる結果が示されている。年間平均の失業率は2026年が5.5%、2027年が5.1%と5%を上回るものの、2028年には4.2%とやや回復すると予想される。
同州は他州よりもエネルギーの影響を受けやすく、同州では温室効果ガス(GHG)排出量が少ない特定の燃料を使用していることから、燃料価格が全国平均より高い傾向にある。さらに、太平洋航路からの貨物船の受け口、アジアの玄関口となる港湾では燃料コスト増が物流コストを押し上げている。これらを背景に、消費需要の抑制や物流産業の収益圧迫が懸念される。
物流業界は減速が予測されている。物流分野では、イラン戦争前に南カリフォルニア港湾の輸入量がパンデミック前を上回り、国際航空貨物にも回復の兆しが見られているなど、比較的堅調だった。しかし、消費需要の低迷や燃料費上昇、サプライチェーンの混乱により、今後は減速が予想される。物流関連の雇用は2026年から2027年初頭にかけて伸び悩み、その後の回復は2027年初頭以降になるとの予想だ。
一方、特に航空宇宙産業は、ボーイングとエアバスの生産増加、防衛関連の調達の増加、宇宙探査や衛星製造に関連する需要の恩恵を受けている。ハイテク分野の雇用は依然として圧迫されているものの、人工知能(AI)関連の雇用増加とハイテク分野のほかの部分における雇用の縮小が収束し、最終的には雇用が増加すると予測されている。同州は2024年時点で世界4位の経済規模で、今後も成長を続けるものの、成長予測には産業間でばらつきが見られるようだ。
(サチエ・ヴァメーレン)
(米国)
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