ムンバイ沿岸道路網整備が2028年完工へ、渋滞緩和と物流効率化に期待

(インド)

ムンバイ発

2026年06月19日

インド西部マハーラーシュトラ州政府は6月16日、ムンバイの交通渋滞緩和に向けた大規模インフラ事業「沿岸道路(Coastal Road)」ネットワークの整備を進めており、その中核となるバンドラ~ベルソバ間の海上連絡橋を2028年3月までに完成させる計画を明らかにした(「フィナンシャル・エクスプレス」紙6月16日)。また、ベルソバ~バヤンダル間の延伸区間および関連する接続道路も、同年12月までの完成を目指すとしている。

ムンバイは岬状の土地の形状のため南北方向の道路容量が限られており、都市の構造上の制約から交通が特定ルートに集中している。とりわけ西部幹線道路(Western Express Highway)は市内交通の約6割を担う主要ルートであり、慢性的な渋滞が課題となっている。こうした状況を踏まえ、新たな沿岸道路網は、同幹線に並行する信号のない高速ルートとして機能することが期待されており、既存道路の混雑緩和に加え、移動時間の短縮や輸送効率の向上に寄与すると見込まれる。

同計画は、南ムンバイから北部郊外に至る沿岸部を結ぶ広域交通インフラであり、住宅地や商業地区へのアクセス向上も目的としている。完成後は、ムンバイ都市圏内の拠点間の接続が強化されるほか、都市全体のモビリティーの改善が期待されている。地下鉄網の拡張により一定の交通分散は進んでいるものの、人口増加と自動車需要の拡大に対応するためには、道路インフラの整備も不可欠とされる。一方で、同沿岸道路の建設は海上工事を伴うため技術的難易度が高く、気象条件や高波の影響を受けやすいほか、環境面や法的課題も指摘されている。州政府は、モンスーン期とそれ以外で施工計画を分けるなど進捗管理を強化しており、専用の監視体制のもとで工程管理を行っている。

ムンバイはインド有数の経済都市であり、交通渋滞は物流のボトルネックともなっている。同沿岸道路網の整備は都市機能の向上にとどまらず、企業活動の効率化や投資環境改善の観点からも注目される。今後の進展は、インフラ投資をテコとしたインドの都市開発の象徴的事例として、国内外の動向を占う上でも注目される。

(野本直希)

(インド)

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