中国新興自動車メーカーの楚能汽車、米アプティブとスマートコックピット分野で協力へ

(中国、米国、フランス、イタリア)

武漢発

2026年06月30日

中国の新興自動車メーカー楚能汽車と米国の自動車部品サプライヤー・アプティブ(Aptiv)は6月11日、湖北省武漢市で戦略的協力協定に署名したと発表した。協議では、新エネルギー車(NEV)のスマート化について、特にスマートコックピットの分野で協力する。ドメインコントローラー(注)のハードウエア最適化や基盤ソフトウエアの適合、アルゴリズムの高度化、ならびに車両全体のシステム統合などを重点的に推進し、高集積で演算能力が高く、安定性に優れた中央制御ソリューションを共同で構築する。

楚能汽車の代徳明董事長は、「スマートコックピットのドメインコントローラーは自動車の『スマートな頭脳』に当たる部分で、車両全体のスマート化や統合・コネクテッド化の発展を図る上で重要だ」とした上で、今回の協力について「アプティブが持つ中央演算プラットフォームやドメインコントローラーの製造・研究開発などで培った技術力を生かし、当社のスマート制御レベルと車両の性能向上を後押しするものだ」と述べた。

アプティブ中国・アジア太平洋地域総裁である楊暁明氏は「楚能汽車は強固な産業基盤と広範な発展の可能性を有している。当社の自動車スマートシステムと車両部品の各分野における先端技術と研究開発の強みを発揮し、楚能汽車の質の高い発展を後押ししていく」とした。

企業信用情報データベース「天眼査」によると、楚能汽車は2024年12月に武漢市で設立された新興の自動車メーカーで、自動車販売を手掛ける恒信汽車集団が出資している。同社は2026年5月にもフランスの自動車部品メーカーのヴァレオと戦略的協力協定を締結し、スマートヘッドライトや電気駆動システム、熱管理システム、スマートシステムなどの分野で協力を進めると発表した。さらに、同年6月にはイタリアの自動車部品メーカーのブレンボとも戦略的協力協定を締結し、NEVの走行安全性や制動安定性、エネルギー消費の最適化などの分野で技術協力を進めるとした。

なお、恒信汽車集団は2021年にリチウムイオン電池メーカーの「楚能新能源(CORNEX)」を設立している。市場調査会社のインフォリンク・コンサルティングが発表した2026年第1四半期の世界の蓄電池出荷量ランキングでは、CORNEXは寧徳時代新能源科技(CATL)、厦門海辰儲能科技(HiTHIUM)、恵州億緯鋰能(EVEエナジー)、比亜迪(BYD)、中創新航科技(CALB)に次ぐ6位となり、近年急速な発展を遂げている。

(注)自動車分野において、ドメインコントローラーとは、特定の領域(ドメイン)に関連する一連の車両機能を制御するコンピュータを指す。

(廣田瑞生)

(中国、米国、フランス、イタリア)

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