米・イラン覚書案、停戦延長で前進もトランプ米大統領は最終判断見送り
(米国、イラン、イスラエル)
テルアビブ発
2026年06月01日
米国ニュースサイト「アクシオス」(5月28日付)は、米国とイランの交渉団が停戦を60日間延長するとともに、その間に核問題に関する協議を開始する覚書(MOU)案で合意した、と報じた。ただし、同案について、「米国のドナルド・トランプ大統領は最終承認をまだ与えていない」としている。
この覚書は戦闘終結に向けた暫定的な枠組みと位置付けられ、ホルムズ海峡の自由航行の確保や機雷の撤去、段階的な制裁緩和といった措置が盛り込まれる一方、核開発や高濃縮ウランの処理といった主要論点は今後の交渉に委ねられるとしている。
こうした中、トランプ大統領は5月29日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「これからシチュエーションルームで最終判断を行う」と述べるとともに、イランに対し核兵器の完全放棄をあらためて要求した。
覚書の最終判断に関するトランプ米大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」でのコメント画面(トゥルース・ソーシャルのトランプ大統領の公式アカウントより)
しかし、政治専門紙「ポリティコ」(5月29日付)によると、同日の会議は約2時間にわたり行われたものの、トランプ大統領は最終判断を示さないまま終了した、と報じた。これにより、覚書の承認は持ち越されたかたちとなった。
トランプ大統領は米国メディアの「フォックスニュース」(5月30日付)のインタビューで、イランとの核交渉について「非常に良い合意に近づいている」との認識を示す一方、「要求が満たされなければ別のかたちで終わらせる」と述べた。また、交渉は「急ぐ必要はない」とも述べ、慎重に進める意向を示した。
一方、イラン側では、保守強硬派メディアであるタスニム通信は5月29日、「米国とイランの間で最終的な了解には至っていない」と報じた。さらに同通信は5月30日、イランのアッバース・アラーグチー外相の発言として「米国が過度な要求や矛盾した立場を是正しない限り、最終合意には至らない」と指摘した。
イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集、イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報を参照。
(中溝丘)
(米国、イラン、イスラエル)
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