新年度予算案は過去最大規模に、デジタル経済を推進

(バングラデシュ)

ダッカ発

2026年06月15日

バングラデシュ政府は6月11日、2026/2027年度(2026年7月~2027年6月)の国家予算案を発表した。歳出は前年度比約19.0%増となる過去最大の9兆3,800億タカ(約12兆1,940億円、1タカは約1.3円)、歳入は18.2%増の6兆9,500億タカで、約2兆4,300億タカの財政赤字を見込む。9%台の高インフレ率や深刻な歳入不足という厳しい現実の中での編成となった。

通商環境の変化は将来的な予見にとどまり、進出日系企業からも常に要望されている税関手続きの透明化に向けた具体策は示されなかった。他方、アミル・コスル・マフムド・チョードリー財務相は、ビジネスコスト削減に向けた行政手続きの簡素化とデジタル化の必要性を強調した(6月8日付「ザ・デイリー・スター」)。これに向けた予算配分が実行されれば、日本・バングラデシュ経済連携協定(EPA)に規定された税関手続きの透明化や汚職防止の基盤となり、中長期的なビジネス環境の底上げが期待される。

進出日系企業が留意すべきは、国家歳入庁(NBR)による課税網の拡大策だ。同予算案では、モバイル金融サービス(MFS)加盟店など全事業者にビジネス識別番号(BIN)の登録を義務付ける方針が示された。これにより、非公式セクターの小規模ベンダーも付加価値税(VAT)の対象となり、日系企業は取引先に対するコンプライアンスの確認を厳格に求められる。

一方、デジタル経済の推進を意図し、スタートアップやIT関連ビジネスへの売上税の免除などが検討されている。優遇措置はITアウトソーシング拠点拡充やIT投資の追い風となる。

新年度予算では、財源の確保が課題となる。2025/2026年度は政府の銀行借り入れが目標を上回り、民間融資を圧迫した。民間シンクタンクの政策対話センター(CPD)のファミダ・カトゥン事務局長は「拡張路線よりも、インフレ対策と経済の安定化を最優先にすべきだ」との見解を示している。

(新居大介)

(バングラデシュ)

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