米主要港、4月の小売業者向け輸入コンテナ量は前月比5.1%減、2026年下半期も減少基調か
(米国)
ニューヨーク発
2026年06月10日
全米小売業協会(NRF)と物流コンサルタント会社のハケット・アソシエイツが発表した「グローバル・ポート・トラッカー報告
」(6月8日)によると、4月の米国小売業者向けの主要輸入港(注1)の輸入コンテナ量は、前月比5.1%減、前年同月比7.3%減の205万TEU(1TEUは20フィートコンテナ換算、添付資料図参照)となった(注2)。前月の予想では前年同月比3.6%減が予想されていた。
今後の見通しでは、5月は前年同月比9.7%増の214万TEU、6月は同14.3%増の225万TEUと比較的高めの伸びとなるが、この増加は2025年4月にドナルド・トランプ大統領が相互関税を発表した「リベレーション・デー(解放の日)」の影響で、前年の輸入量が急減したことが大きく寄与している。2026年上半期を通じてみると、総貨物量は前年同期0.6%増の1,260万TEUとわずかな伸びにとどまる見通しだ。なお、下半期は、7月が219万TEU(8.4%減)、8月が212万TEU(8.6%減)、9月が206万TEU(2.2%減)と、前年よりも減少基調が続く見通しだ。
ハケット・アソシエイツの創設者ベン・ハケット氏は、「運送会社が急騰する燃料費を運賃に転嫁していることへの対応や、懲罰的な代替関税への懸念から、小売業者がピークシーズンの貨物輸送を前倒ししているため、6月の貨物量見通しを引き上げた。現在の輸入増加は7月まで続く見込みで、急激なピークというよりは、ここ数年の傾向に見られるような緩やかな増加パターンとなる見通しだ。その後は、消費者の先行き不透明感が強いまま、インフレ高進の影響が本格化するため、輸入量は減少へと向かう」と予想する。
需要減退の背景には、小売業界における保守的な在庫管理がある。継続的なインフレや消費需要の冷え込みを警戒する小売り各社は、過剰在庫のリスクを回避するべく、在庫の再積み増しを意図的に抑制している。手元の在庫を必要最小限に絞り込む「リーン(無駄のない)在庫管理」が業界全体に浸透しており、この企業側の慎重な姿勢が、下半期の輸入量の減少につながるとみられる。
(注1)主要輸入港は、米国西海岸のロサンゼルス/ロングビーチ、オークランド、シアトルおよびタコマ、東海岸のニューヨーク/ニュージャージー、バージニア、チャールストン、サバンナ、エバーグレーズ、マイアミおよびジャクソンビル、メキシコ湾岸のヒューストンの各港を指す。ただし、今回の集計にニューヨーク/ニュージャージー港のデータは反映されていない。
(注2)発表されている貨物量のTEUと前年同月比の数値は端数処理の関係で一致しない場合がある。
(樫葉さくら)
(米国)
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