インド、モンスーン到来の遅延で農業に影響懸念、政府が緊急対策
(インド)
ムンバイ発
2026年06月29日
インド国内で2026年の南西モンスーン到来の遅れによる降雨不足が深刻化しており、夏作(カリフ作物)の作付けに影響を及ぼす懸念が高まっている。シブラジ・シン・チョウハン農業・農民福祉相は6月23日、全国の累積降雨量が平年に比べて約43%不足しており、作付けへの影響は避けられない可能性があると明らかにした(添付資料参照)。同相によると、国内315地区で雨量不足が見込まれ、特に灌漑率が25%未満の111地区は脆弱(ぜいじゃく)性が高いとされる。これらの地区はマハーラーシュトラ(MH)州のほか、ウッタル・プラデシュ州、ビハール州、グジャラート(GJ)州など12州に分布しており、雨水依存度の高い農業地域を中心に影響が広がる可能性がある。
インド気象局(IMD)は、2026年はモンスーンの進行が鈍く、少なくとも7月初旬までは降雨不足が続くと予測している。地域別の降雨不足も深刻で、MH州やGJ州では平年比約70%の不足、チャッティスガル州やジャールカンド州でも60%超の不足が観測されている。6月1~23日までの全国の累積降雨量も、長期平均を約42%下回っている。
これを受けて農業省は、対象地区ごとに緊急対応計画を策定した。各地区特有の気候条件、作付け体系、水資源、リスク要因が盛り込まれている。加えて、降雨量が少ない場合の適切な代替作物の選定や作物の多様化戦略、利用可能な水資源の最適利用、リスク軽減のための追加収入機会の確保といった対策が規定されている。
一方で、6月中旬時点のカリフ作付面積は前年同期(1,130万ヘクタール)をやや上回る約1,179万ヘクタールと堅調な滑り出しを示している。ただし、モンスーンの本格的な到来が遅れた場合、作付けの進展や収穫量に下押し圧力がかかる懸念がある。今後の降雨動向が農業生産および農村経済に与える影響が注視される。
(野本直希)
(インド)
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