インド・マハーラーシュトラ州、AI・クラウド分野の協力でアマゾンとの連携深化へ
(インド)
ムンバイ発
2026年06月30日
米・アマゾンのアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は6月24日、インド西部マハーラーシュトラ(MH)州の州都ムンバイを訪問してデベンドラ・ファドナビス州首相と会談し、人工知能(AI)やクラウド、物流など幅広い分野での協力について協議した(「フィナンシャル・エクスプレス」紙6月25日)。MH州政府はこれを受け、AIを軸としたデジタル経済の強化に向け、アマゾンとの連携を深める方針を示した。
会談では、MH州を拠点とした次世代AIの開発やデジタル基盤整備が主な議題となった。アマゾンは同州をインド事業の中核と位置付けており、ムンバイにはアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のインド初のインフラリージョン(注)が設置されているほか、プネなどと併せて技術・運用人材の集積が進んでいる。また、AIやクラウド、インフラへの投資を通じて、地場企業の成長支援や新規顧客開拓、国際市場へのアクセス拡大を後押しする方針も確認された。電子商取引や物流機能の強化により、州内の中小企業や製造業者の輸出力向上にも寄与することが見込まれる。
ジャシーCEOはAIを「これまでで最も変革的な技術」と位置付け、インドは単なる技術の消費市場ではなく、重要なAIアプリケーションを生み出す拠点となり得るとの認識を示した。人口規模、技術人材の厚み、デジタル化の急速な進展を背景に、同国が今後のAI開発の中心地の1つになるとの見方を強調した。さらに、スキル開発も重要な協力分野とされ、AIやクラウド関連人材の育成に向けた教育・訓練プログラムの強化についても議論された。アマゾンは職業訓練や認定制度などを通じ、将来のデジタル関連業務に対応する人材供給を支援する意向を示している。
MH州は2030年までに州経済規模を倍増させる目標を掲げており、AIやデジタル産業の育成をその柱と位置付けている。今回のアマゾンとの協議は、投資誘致と産業高度化の両面で重要な意味を持つ。インドでは、半導体やAIといった先端分野への投資が拡大しており、中央政府・州政府・民間企業の連携によるデジタル経済の強化が進む。MH州発の今回の取り組みは、同国がグローバルなデジタル拠点としての地位の確立を目指す動きを象徴する事例といえる。
(注)クラウドコンピューティングで、データセンターが物理的に設置されている世界各地の拠点エリアのこと。
(野本直希)
(インド)
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