米イェール大学がイノベーションサミットを開催、製薬や量子技術のエコシステムを紹介
(米国)
ニューヨーク発
2026年06月12日
米国イェール大学とスタートアップインキュベーション施設のイェールベンチャーズ
は、5月27~28日にコネチカット州ニューヘイブンで、同大学の関連スタートアップおよびコネチカット州のエコシステムを紹介する「Yale Innovation Summit 2026」
を開催した。同サミットには、産業界、大学関係者、投資家、起業家、エコシステムリーダーなど約3,000人が来訪し、6分野(アート、バイオテック、シビック、クライメート、ヘルス、テック)をテーマに計60超のセッションが行われた。
各分野でのピッチコンペティションには300超のベンチャー企業が参加した。特にバイオメディカル関連技術、量子コンピュータ技術などの先端分野のピッチやパネルディスカッションには、業界リーダーの企業や投資家も参加し、注目が集まったほか、資金調達や事業提携に関するプレゼンテーションが行われた(注1)。
ピッチングセッションの様子(ジェトロ撮影)
また、コネチカット州政府は、イェール大学およびコネチカット大学(UConn)との連携の下、量子技術推進の州全体の調整役となる非営利組織「QuantumCT」を中核としたエコシステム構築を進め、同組織に対して約1億2,000万ドルを拠出している。大学と企業の連携による課題解決型の研究開発やマッチングが、イノベーション創出の重要な要素となっている。カナダの量子コンピュータ企業D-Wave Quantum
のアラン・バラッツ最高経営責任者(CEO)は、イェール大学発の超電導方式の量子スタートアップQuantum Circuitsを買収したこと
に触れ、D-Waveが得意とする量子アニーリングの実用化に加えて、誤り訂正(error-corrected)量子コンピュータ技術に強みを持つ企業の統合で、早期に実用的なコンピュータ技術の実現が可能となると述べた。
D-Wave社が登壇したセッションの様子(ジェトロ撮影)
ジェトロはイェールベンチャーズと共催で5月28日、「JETRO/J-BRIDGE Japanese Pharma Networking Event」を開催した(注2)。大学を中心とするコネチカット州のイノベーションエコシステムは、バイオメディカル関連技術、量子コンピュータ技術に強みを持つ。ジェトロは、今後も日本企業とコネチカット州のエコスステムをつなぎ、スタートアップとの協業機会の創出を図っていく。
(注1)疾患を分子レベルで可視化する分子イメージング技術を開発するSynVest Imaging
、希少疾患向けの遺伝子治療プラットフォームを開発するApriligen
、ウイルス関連がんに対するmRNAベースの新規治療法を開発するcurIOS Therapeutics
、人工知能(AI)とヒト検証の統合により創薬プロセスを高速化するプラットフォームを開発するTemplate Therapeutics
。
(注2)約20人が参加し、製薬企業を中心とする日本企業7社と米国企業の今後の連携可能性の探索を目的として実施された。当該イベントに来場した米国企業のうち、粘膜免疫技術を持つスタートアップからは研究開発における海外パートナーの探索や米国市場進出に向けた連携ニーズが示され、日本側からも関心が寄せられるなど、日米企業双方にとって有意義な交流の機会となった。
(堀米美帆、遠藤壮一郎)
(米国)
ビジネス短信 a14689ab1839088c





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