カンボジア副首相、大阪で開催された投資フォーラムで投資環境整備への注力を強調

(日本、カンボジア)

大阪本部海外ビジネス推進課

2026年06月25日

大阪商工会議所は615日、カンボジアのスン・チャントール副首相兼開発評議会(CDC)第一副議長の来阪に伴い、ジェトロ、日本アセアンセンター、CDCとともに「カンボジア投資フォーラム」を大阪で開催した。日本企業など93人が参加した。

スン・チャントール氏は基調講演で、カンボジアの投資環境について説明した。年率5%を超える高い経済成長率、医療・衛生状況の改善に伴う平均寿命の伸長、豊富な若年労働力の存在などを挙げた。その上で、高速道路・港湾・河川などの物流インフラの整備、自由貿易協定(FTA)網の拡充、またカンボジア日本人商工会(JBAC)との定期対話などを通じて投資環境整備に注力しており、日本からの投資を今後10年間で2倍にしたいと語った。他方、喫緊の課題となっている同国を拠点とするオンライン詐欺対策については、首相直属のタスクフォースを立ち上げ、撲滅に向けて摘発や、犯罪者の逮捕・国外追放に取り組んでいるとした。また、タイとの紛争による国境閉鎖状況ついては、タイ側の開放次第としつつ、平和的解決を模索していると述べた。

写真 スン・チャントール副首相兼CDC第一副議長によるスピーチの様子(ジェトロ撮影)

スン・チャントール副首相兼CDC第一副議長によるスピーチの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションでは、カンボジアにおける食品加工分野への投資を切り口に意見交換が行われた。同国でカカオの栽培から日本でのチョコレートの製造・販売に至るビジネスを行っているチョコリコ(名古屋市)の渡邉千晃CBOは、同国での農業生産・食品加工事業の魅力として、労働者の農業スキルの高さや製品の日本への配送のしやすさ、親日的で素直でまじめな国民性を挙げた。また、日本企業の海外進出支援を行うフォーバル・カンボジアの山口晋ダイレクターは、「カンボジアの主要産業は農業であるが、販路開拓ノウハウの欠如や資金難により、機械化が進まない点が、原材料の供給にとどまっている原因である」とし、これを日本企業とともに解決できれば、製品の高付加価値化につながり、大きなビジネスチャンスになると語った。

このほか、ロイヤルグループ・プノンペン経済特区の上松裕士CEOが、昨今の同国に進出した日系企業として、スポーツメーカーのミズノの事例を紹介した。カンボジア人のまじめで手先が器用な点に注目し、将来は日本のプロ野球に使用されることを目指して、野球ボールの生産に取り組んでいると述べた。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

同投資フォーラム前に行われた、同副首相と関西企業との懇談会では、関西企業によるカンボジアでの自社事業展開状況やビジネスの展望、投資環境面での懸念や改善要望などについて活発な意見交換が行われた。

(齋藤寛)

(日本、カンボジア)

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