「スタートアップ・ビレッジ2026」開催、産業界ソリューション創出の場への転換

(ロシア)

調査部欧州課

2026年06月08日

ロシア最大のイノベーション促進機関スコルコボ基金は52930日、スタートアップの祭典「スタートアップ・ビレッジ2026外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を開催した。本イベントは事前登録を済ませれば無料で入場できることもあり、来場者は学生から企業経営者まで幅広い。第14回の今回、参加者は30カ国から1万人を超え、投資会社150社、スタートアップ企業3,000社が参加した。ただ、2025年と比較すると、参加者数(前回16,000人)および参加国数(同43カ国)はいずれも減少した。

写真 開会式が行われたメインステージ(ジェトロ撮影)

開会式が行われたメインステージ(ジェトロ撮影)

過去のスタートアップ・ビレッジは屋外で開催されていたが、今回は寒冷化の影響で屋内での開催となった。会場内のデモブースにも変化が見られた。50社を超えるスタートアップがブースで自社の技術やサービスを紹介したが、各ブースには例年のような英語の表記がなく、ロシア語で使われるキリル文字のみで企業名が表示され、さらに企業の出身国の記載もなかった。

写真 スタートアップによるデモブース(ジェトロ撮影)

スタートアップによるデモブース(ジェトロ撮影)

2026年はイベントの主要外国パートナーとして、ベトナム、中国、アラブ首長国連邦(UAE)の3カ国が参加した。会期中、スコルコボ基金と「ベトナム国家イノベーションセンター(NIC)」との間でパートナーシップ協定が締結された。両者は人工知能(AI)やデジタルインフラなどの分野における技術交流、アクセラレータープログラムやパイロット事業の立ち上げについて合意した。同様の合意が、アルジェリア、カタール、サウジアラビア、セルビア、中国、パキスタン、バングラデシュとの間でも取り交わされた。

イベントのコンセプトに変化

スタートアップ・ビレッジは、これまで、技術トレンドや新たなアイディアを議論するカンファレンスと位置付けられていたが、今回は、主催者がテクノフェスティバルと名付けた。従来の未来志向の議論の場から、大企業が技術に関する要望や人材育成、研究開発に関する課題を提示し、スタートアップがそれに応えるという、産業界のソリューション創出の場へと転換した。例としてロシア鉄鋼大手セベルスタリは、テーマ別セッションで掘削作業の新手法や水処理技術に対するニーズを披露した。同社は、ロシアの鉄鋼業界が厳しい状況に直面し、コスト削減の圧力が高まる中にあっても、環境基準への適合を重視するとしている。

(調査部欧州課)

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