欧州委、AI生成コンテンツの表示・ラベル付けに関する行動規範を公表
(EU)
調査部欧州課
2026年06月17日
欧州委員会は6月10日に、「人工知能(AI)によって生成されたコンテンツの表示およびラベル付けに関する行動規範」
を公表した。本規範は、生成AIシステムの提供者および導入者(利用者)が2026年8月2日に適用が開始されるEUのAI法(2024年5月27日記事参照)で定められる透明性義務に対応するための実務的な手順を示すものだ。
本規範は「提供者」と「導入者」の2つの対象に分かれている。提供者に対しては、AIが生成または改変した音声・画像・動画・テキストに対し、機械可読な形式でマークを付与し、人工的生成物であることを識別可能にする仕組みの導入が求められる。
具体的には、「AI生成」であることを記録するメタデータ署名やウォーターマーク(注)など複数の技術を組み合わせた手法の併用が想定されており、記録されたマークを削除・改変する行為は禁止となる。また、導入者に対しては、特に公共性の高い情報について、人間による審査や編集が行われていない場合には、AI生成であることを明確にラベル表示する義務が示されている。
AI法では、ディープフェイクやAIによって生成・改変されたテキストについては、明確な表示が求められる。また、チャットボットなどの対話型AIシステムを利用している際には、ユーザーにその旨が通知されなければならないと定められている。
これらAI法第50条に基づく透明性義務は、欺瞞(ぎまん)や操作のリスクに対処し、情報エコシステムの健全性を確保することを目的とし、高リスクAIシステムや汎用(はんよう)AIモデルに関する規則など、他の規則を補完する役割を持つ。なお、本規範の順守は任意となる枠組みであるが、AI法第50条に基づく透明性要件は法的義務として適用が開始される。
(注)画像や動画、音声などのデジタルコンテンツに、ひそかに埋め込む「透かし」情報。
(坂本裕司)
(EU)
ビジネス短信 940e2fb2a91a0a73





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