世界最大級の水素展示会「WORLD HYDROGEN SUMMIT&EXHIBITION 2026」で、日本の水素技術を世界に発信

(オランダ)

アムステルダム発

2026年06月04日

世界最大級の水素関連展示会「WORLD HYDROGEN SUMMIT&EXHIBITION 2026」が5月19~21日、オランダ・ロッテルダムで開催され、120カ国から1万人以上が来場した。2026年は「気候・エネルギー・安全保障:世界的な優先課題に対応するための水素需要の創出」をテーマに水素需要の創出方法や、二酸化炭素(CO2)回収・利用・貯留(CCUS)などのエネルギー分野に係る活発な議論・商談・ネットワーキングが行われた。

ジェトロは、2024年、2025年に続きジャパンパビリオンを設置し、21の企業・団体(注)の技術・プロジェクトなどを紹介した。日本が水素サプライチェーンの上流から下流まで先進的な技術で網羅し、水素社会の実現に貢献していることを世界各国の来場者に印象付けた。出展企業からは、「本展示会は欧州内の他の水素関連展示会と比べて盛り上がりの高さを感じる」、「他の展示会よりも水素プロジェクトに特化した情報を入手できた」といった声が聞かれた。

写真 ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

会期中は、特設ステージやジャパンパビリオン内にて同パビリオン出展企業によるプレゼンテーションを実施したほか、スペイン・バスク地方の政府投資促進機関と連携した商談・交流イベントを開催、同パビリオン内外で日本企業に注目が集まった。

写真 特設ステージの様子(ジェトロ撮影)

特設ステージの様子(ジェトロ撮影)

同展示会では、各国の政府や企業の要人、専門家などを集めたサミットも開催され、小池百合子東京都知事や経済産業省資源エネルギー庁の木原晋一資源エネルギー政策統括調整官が基調講演を行った。小池知事は「グリーン水素は次世代の重要なエネルギーになる」と述べ、地政学リスクに関連したエネルギー不安に直面する中で、政策主導の重要性を強調。また、現在都内で運行している150台の燃料電池車を2030年までに5,000台へと拡大する旨の言及もあった。木原調整官は「日本は、水素市場が初期段階にある中、欧州との連携を通じ、強靭(きょうじん)で信頼性の高いグローバル・サプライチェーンの構築を推進している。国内では政府の財政支援とあわせ、水電解による低炭素水素の製造や製造工程における熱源としての水素の活用など、企業による実装が着実に進展している。さらに日本は、水素バリューチェーン全体にわたる先端技術を有する『技術のデパート』としての強みを基盤に、今後も欧州などとの協力関係を一層拡大していく」と述べた。

写真 小池知事登壇の様子(左)(ジェトロ撮影)

小池知事登壇の様子(左)(ジェトロ撮影)

また、会場では、川崎重工業とEcoLog外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(本社:ギリシャ)が液化水素サプライチェーンの戦略的提携に関する覚書を締結PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)したと発表した。両者の強みを融合し、欧州に向けた液化水素サプライチェーンの実現を加速させ、世界の脱炭素化とエネルギー安全保障に向けて連携していく。

写真 川崎重工業とEcoLogの覚書締結の様子(ジェトロ撮影)

川崎重工業とEcoLogの覚書締結の様子(ジェトロ撮影)

次回の「WORLD HYDROGEN SUMMIT&EXHIBITION 2027」は2027年5月18~20日(オランダ・ロッテルダム)にて開催される予定。

(注)AC Biode、Asahi Kasei Europe、IHI Europe、伊藤忠セラテック、福井製作所、新コスモス電機、住友電気工業、NGK Europe、Proterial Europe、TBグローバルテクノロジーズ、Teijin Holdings Europe、TOPPANホールディングス、Toray Industries Europe、Toyota Motor Europe、三井E&S、Yokogawa Europe、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日本貿易保険(NEXI)、水素バリューチェーン推進協議会(JH2A)、アドバンテッジパートナーズ(Japan Hydrogen Fund)、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)

(梅田健太郎、木村ローズマリー梨花、石倉傑)

(オランダ)

ビジネス短信 7fced4bf07287358