中国、居住地における基本的公共サービス制度の整備に関する実施意見を発表
(中国)
北京発
2026年06月01日
中国国務院は5月22日、「居住地における基本的公共サービス提供の推進に関する実施意見
」を発表した(文書は5月18日付)。同意見では、居住地において基本的公共サービスの提供を推進し、公共サービスと戸籍の結び付きを段階的に解消するとともに、居住地の戸籍を有しない住民についても、戸籍を持つ住民と同等の基本的公共サービスを享受できるようにする方針が示された。
意見では、次の6つの面から具体的な取組みが盛り込まれた。
- 帯同子女についての教育機会の保障強化。需要に応じた就学枠の拡大や義務教育段階における公立学校の受け入れ拡充を図る。また、公立中学校への進学機会を広げるとともに、条件を満たす帯同子女が居住地において進学試験を受験できる制度の実施を推進する。
- 公共賃貸住宅による保障の拡大。より多くの都市において、安定的に就業・居住しているものの居住地の戸籍を有しない世帯を公共賃貸住宅への入居対象とし、適用就業・居住年数や居住環境の困難度に応じて適用対象、適用方法、適用基準、入居条件・退居スキームを決定する。また、現物支給や家賃補助などの方式により、居住地の戸籍を有しない世帯への住宅保障を進める。
- 就業地における企業従業員向け社会保険制度(注)の整備。就業地における企業従業員向け社会保険加入への戸籍制限を全面的に撤廃するとともに、農民工や非正規就業者、新たな就業形態の従事者を対象に社会保険制度の充実を図り、社会保険の移転・継続制度を整備する。
- 居住地における基本医療保障の強化。居住証所持者の基本医療保険加入政策を着実に推進するほか、居住地以外の地域での受診における直接精算サービスの利便性向上を図る。
- 公的な就業支援サービスの強化。就業困難者や起業家への支援を進め、農民工などの職業訓練や職業資格評価への参加を促進し、技能の向上と処遇の改善を図る。
- 生活保障関連サービスの充実。居住地の戸籍を有しない住民について、段階的に居住地における子供支援や、高齢者介護、社会扶助、障害者支援などの対象に含める。
また、同意見では、これらの措置の円滑な実施に向け、人口動態に応じた公共サービス施設の適正配置や、ポイント制などによる基本的な公共サービスの段階的提供、財政移転支出の強化による財源確保などが示された。
国家発展改革委員会の鄭備副主任は5月26日の国務院政策ブリーフィングで、都市に長期間居住しながら戸籍を持たない人が2億5,000万人(うち農民工と家族が約1億7,000万人)を超えているとし、居住地における基本的公共サービスの提供が、人間中心の新型都市化の推進(2024年8月9日記事参照)に重要だと指摘した。
(注)中国の社会保険制度について、詳細は調査レポート「中国の社会保険制度と北京市、天津市の実務(2025年12月)
(2.0MB)」を参照。
(張敏)
(中国)
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