IMFが地域経済見通し発表、西・中部アフリカのCFAフラン圏で債務水準に格差

(コートジボワール、ベナン、ブルキナファソ、ギニアビサウ、マリ、ニジェール、セネガル、トーゴ、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ共和国、赤道ギニア、ガボン、西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)、中部アフリカ経済通貨共同体(CEMAC))

アビジャン発

2026年06月12日

IMF416日に「地域経済見通し(サブサハラ・アフリカPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))」を発表した。同報告は、対象地域における経済成長を評価しつつも、西・中部アフリカのCFAフラン圏では、国ごとに公的債務の水準が異なり、財政・金融の安定に対するリスクがあると指摘している。

同報告が対象とするサブサハラ・アフリカ地域のうち、西アフリカ諸国をみると、西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA、注1)の2026年の公的債務の対GDP比は63.6%となり、前年から1.0ポイント低下する見込みだ。ただし、加盟国間の格差は大きい。2025年に隠れ債務問題が発覚したセネガルは132.3%と突出しており、ギニアビサウは域内基準(70.0%)を上回る73.6%、トーゴは64.7%と予測される。コートジボワールは55.1%と比較的安定しているほか、ベナン(57.2%)、ブルキナファソ(48.8%)、ニジェール(45.5%)、マリ(40.8%)は不安定な治安情勢にもかかわらず、安定した水準を維持している。コートジボワールの現地報道によると、こうした差異からは、債務水準が政治的安定性だけではなく、財政政策の選択、公共支出の質、資金調達手段の違いによっても大きく左右されることがうかがえる(516日付「リンフォドローム」)。

一方、中央アフリカ諸国をみると、中部アフリカ経済通貨共同体(CEMAC、注2)の2026年の公的債務の対GDP比は51.6%と、UEMOAを下回る水準を維持する見通しだ。コンゴ共和国(91.3%)とガボン(86.1%)が地域平均を押し上げており、中央アフリカ共和国も64.0%に達する見込みだ。一方、チャド(29.9%)、赤道ギニア(39.1%)、カメルーン(39.3%)は域内基準を下回っている。

IMFは、国内借入への依存度拡大により、特にUEMOA地域で国家と銀行の相互依存リスクが高まっていると指摘する。同地域では銀行資産の43%を政府債務が占めており、財政危機が金融危機を誘発するリスクがあるとしている。また、債務持続可能性が重要なリスクとなっている国に対しては、国内歳入の動員、支出効率性の改善、公共財政管理の強化を通じた予算信頼性の向上が重要となるとの見解を示した。

IMF理事会はUEMOAと共通政策に関する年次協議を実施し、同地域が低インフレと安定した外貨準備高を維持し、2025年に高い成長率を記録したことを評価した。その一方で、中東での紛争、高水準の債務負担、増大する国家財政需要、国家・銀行間の相互依存、気候変動の影響など、下振れリスクが依然として存在すると指摘した。その上で、マクロ経済および金融の安定維持に向けた慎重な政策運営、包摂的成長を後押しする構造改革、地域・国家レベルでの政策協調強化の必要性を強調した。

(注1UEMOA加盟国は、ベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、ギニアビサウ、マリ、ニジェール、セネガル、トーゴの8カ国。

(注2CEMAC加盟国は、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ共和国、赤道ギニア、ガボンの6カ国。

(長屋幸一郎、橘欣子)

(コートジボワール、ベナン、ブルキナファソ、ギニアビサウ、マリ、ニジェール、セネガル、トーゴ、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ共和国、赤道ギニア、ガボン、西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)、中部アフリカ経済通貨共同体(CEMAC))

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