中部ウッチでビジネスサミット開催、日本とポーランドの経済協力強化を狙う

(ポーランド、日本)

ワルシャワ発

2026年06月15日

ポーランド中部ウッチで612日、日本とポーランドの経済協力強化を目的とした「HIKARI – ウッチに日本輝く ポーランド・日本ビジネスサミット外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(サイトはポーランド語、アジェンダは日本語版ありPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))が開催された。ウッチ経済特区が主催し、両国の政府関係者や企業、金融機関などが参加した。エネルギー、インフラ、先端技術分野などでの協力可能性が議論された。

会合では、ウッチ大学における「ビジネス日本学科」の設立(注)が発表されたほか、双日九州とウッチ発のスタートアップWindTAKによる包括的協業契約締結外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますセレモニーが行われた。両国の経済連携の深化に向けた具体的な動きとして注目される。

写真 双日九州とWindTAKの包括的協業契約締結セレモニー(ジェトロ撮影)

双日九州とWindTAKの包括的協業契約締結セレモニー(ジェトロ撮影)

パネル討議の第1部では、原子力や風力、太陽光など再生可能エネルギーをテーマに2国間の協業拡大が議論された。エネルギー省からは、エネルギー安全保障を重視した国家計画に基づきエネルギーの多様化を進めていることが説明された。ポーランドでは現在、原子力発電所や小型モジュール炉の導入などの戦略的プロジェクトが進められている(添付資料参照)。日本企業についても、エネルギー施設の建設のみならず、調達やサプライチェーン管理、技術や運営ノウハウの共有での関与に期待が示された。

2部では、インフラ分野での投資が議題となり、ウッチとワルシャワの中間バラヌフに建設が予定されているポーランド新空港プロジェクト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの進展が共有された(2024年7月4日記事参照)。予定では2032年には開港、同時にワルシャワとウッチをつなぐ高速鉄道も開通する(ウッチから分岐するブロツワフ方面/ポズナン方面は2035年)。これに関連して、国際協力銀行(JBIC)が大型インフラ・エネルギー事業における金融支援の可能性について言及したほか、日本企業によるプロジェクト参画の余地について議論が行われた。ウッチ経済特区は、新空港を核とする空港都市、物流都市構想が新たな投資を呼び込む契機になるとの見方を示した。

写真 パネル討議(ジェトロ撮影)

パネル討議(ジェトロ撮影)

後半では、ビジネスおよび教育分野における協力が議論された。ポーランド・日本企業による両国の市場進出を意識した人材育成とエコシステム構築の重要性が強調された。

今回のサミットを通じ、ポーランドにおけるエネルギーやインフラ分野での大型プロジェクトを中心に、日本企業の参入機会が広がる可能性が示された。一方で、国内調達重視の政策や、商習慣・規制の違いによる市場参入の難しさなどの課題も指摘されており、今後の具体的な案件形成が注目される。

(注)正式には「Studia podyplomowa」と呼ばれる、大学卒業者を対象とする学位取得を伴わない専門課程。

(金杉知紀)

(ポーランド、日本)

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