浙江省でブレイン・コンピュータ・インターフェースの国際コンテスト開催へ
(中国)
上海発
2026年06月19日
中国の浙江省政府は6月16日、「世界ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)×医療保険イノベーション・シナリオコンテスト」(以下、本大会)の開催に向けた概要を説明した。本大会は、国家医療保障局と浙江省政府の共催で、同日からエントリー受け付けを開始した。8月に予選および優秀プロジェクトの展示を、9月に決勝および表彰式を行う予定だ。
本大会は「脳で思い描き、機械と未来をつなぐ(中文名:脳想事成・機聯未来)」をテーマとし、非侵襲型BCI技術を重点に置く。競技部門では、ドローン、電動車いす、ロボットアーム、ロボット犬、タイピング、仮想タスクの6種目を設ける。応用部門では、健康モニタリング・早期予測、機能リハビリテーション・スマート介護の2分野を設定する。さらに、最先端技術のブレークスルーやイノベーション・創業プロジェクトの展示も行い、世界の先端技術や革新的製品・ソリューションを総合的に展示する。
記者会見では、浙江省のBCI分野の発展状況について説明があった。同省政府の任賢鋒副秘書長によれば、浙江省は2021年から同分野を未来産業の重点として位置付け、産学研医が一体となったイノベーションエコシステムを形成してきた。2025年時点で、BCI関連の有効発明特許は1,058件に達し、うち9割以上を杭州市が占め、全国でも上位に位置する。侵襲型、非侵襲型の両分野で成果を蓄積し、同年の浙江省における主要関連企業の売上高は20億元(約460億円、1元=約23円)を超えたとした。
また、BCIと人工知能(AI)の医療分野での活用事例についても紹介された。浙江省医療保障局の徐良平党組書記・局長によれば、侵襲型BCIでは、高位脊髄損傷患者が意思によってロボットアームを操作し、日常動作を補助する事例があるほか、てんかん発作を抑制する閉ループ型神経刺激装置の臨床応用が進んでいる。非侵襲型BCIでは、精神・心理、神経リハビリテーション、睡眠介入、注意力モニタリングなどの分野で活用が広がっているという。AIとの融合においては、脳波とテキストデータを組み合わせた「統合失調症マルチモーダル知的診断モデル」が開発され、複数施設間での診断に活用されていると説明した。
BCIは、国においても重点育成する未来産業の1つだ。2026年の国務院政府活動報告に初めて盛り込まれ、量子技術、エンボディドAI、6G(第6世代移動通信システム)などとともに、「第15次5カ年(2026~2030年)規画」の6大未来産業の1つに位置付けられている。
(許蓓莉)
(中国)
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