青島で3バンド対応光回線が開通、AI時代の通信需要に対応

(中国)

青島発

2026年06月10日

中国最大の移動体通信業者である中国移動通信はこのほど、産業パートナーと共同で自主設計した光通信波長帯のSバンド(短波長帯)、Cバンド〔(汎用(はんよう)通信帯〕、Lバンド(長波長帯)(注1)に対応する超低損失・マルチコア光ケーブル回線(注2)を山東省青島市で開通した。同社の発表によれば世界初とされる。従来の光ファイバーの伝送容量の限界を突破する技術的な進展とされ、商用化に向けた一歩と位置付けられる。人工知能(AI)時代における計算能力ネットワーク(注3)や超広帯域伝送の新たな技術的ソリューションとなるとみられる。

従来の光ファイバーは、コア数や利用可能帯域に制約があり、帯域幅や容量に一定のボトルネックが存在していた。中国移動通信は今回、4コア構造の光ファイバーを採用し、髪の毛ほどの細さのファイバー内部に4つの独立した信号伝送チャネルを配置した。さらに、これまで難しいとされてきたSバンドにおいても、CバンドやLバンドと同様に超低損失と有効断面積の拡大を実現し、「3バンド並行伝送」を可能とした。単一光ファイバーの伝送容量は従来製品の5倍以上に向上したとされ、AI向け計算力需要や超高速通信など、今後の大容量データ伝送ニーズへの対応が期待される。

AIデータセンターの建設やドローンなどの用途拡大に伴い、光ファイバーの需要が増加している。こうした背景のもと、世界の光ファイバー・光ケーブル市場は急拡大しており、4月21日付の「科技日報」によると、2025年のデータセンター向け光ファイバー・ケーブル需要は前年比75.9%増となった。世界最大の生産国である中国では、一部の光ファイバーの価格が前年比7.5倍に高騰した。中国の光ファイバー企業の2026年第1四半期の海外販売は前年同期比で55%以上増加し、特に北米や東南アジア向けの需要が高い。受注残は既に翌年第1四半期まで積み上がっているケースもあるという(「科技日報」4月21日)。AIによる計算力需要の拡大が、光ファイバー産業の成長を牽引している。

(注1)光通信波長帯は、光通信で使用される波長帯域であり、波長の違いによりSバンド(短波長帯)、Cバンド(汎用通信帯)、Lバンド(長波長帯)などに区分される。

(注2)マルチコア光ファイバーは、1つの光ファイバーの中に複数のコアを配置した光ファイバー。

(注3)計算能力ネットワークは、分散した計算能力資源をネットワークで接続した上で、統一的にアレンジ・分配し、必要に応じて利用可能とする仕組み。

(董玥涵)

(中国)

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