EVメーカーのポールスター、コネクテッドカー規制で米国新車販売を終了へ

(米国、スウェーデン、中国)

ニューヨーク発

2026年06月29日

スウェーデン・イエーテボリに本拠を置く電気自動車(EV)メーカーのポールスター(Polestar Automotive Holding UK PLC、米国本社:ニュージャージー州)は6月25日、米国商務省産業安全保障局(BIS)から、「情報通信技術・サービス(ICTS)サプライチェーン保護規則」に基づくコネクテッドカー規制における特定認可(specific authorization)が付与されなかったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これにより、同社は2027年モデル以降の新車を米国で販売することができなくなる。

同規則は2025年1月にバイデン前政権下で制定されたもので、中国またはロシアの管理下にあるコネクテッドカーの米国での販売などを禁止する内容だ(2025年1月15日記事参照)。ポールスターは、中国の吉利控股集団(ジーリー・ホールディング・グループ)創業者・会長の李書福(Li Shufu)氏およびその関連事業体が55.2%を保有しており(注1)、同規制の適用対象とみなされた可能性が高い。

一方、同じくジーリーグループ傘下のボルボ・カーズは、5月26日に特定認可を取得済みであり、米国での成長計画を継続できるとしている(2026年5月28日記事参照、注2)。同社は、サウスカロライナ州チャールストン工場に13億ドル超を投資し2,000人超を雇用するなど、米国における事業基盤の厚さをアピールしていた。他方、ポールスターは米国において、小型乗用車「ポールスター2」、中型スポーツ用多目的車(SUV)「ポールスター3」、小型SUV「ポールスター4」を展開しているが、合計販売台数は2024年に前年比32.1%減の8,309台、2025年に30.8%減の5,747台と限定的だった。また、米国サウスカロライナ州での「ポールスター3」の生産台数も8,000台強にとどまる(注3)。特別認可に関し、両社で異なる結果となった具体的な理由について、当局・両社とも詳細を明らかにしていないが、個別審査による差が生じることを裏づけている。

今回の却下を受け、ポールスターのマイケル・ロシュラー最高経営責任者(CEO)は「自動車産業は地域性に基づく新たな局面に入った」と述べ、今後は欧州を最大の成長エンジンと位置付け、販売網の拡充および将来モデルの現地生産化を進める方針を示した。同社発表によると、ポールスターの2026年第1四半期の世界販売台数の94%は米国外での販売で、欧州が全体の約80%を占めている。今後は小型SUV「ポールスター7」の欧州生産を計画しているほか、東南アジア、東欧、中南米、カナダも重点市場として投資を継続する方針を示している。

(注1)2025年年次報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによる。

(注2)ボルボの2026年第1四半期中間報告(Volvo Interim Report First Quarter 2026)によると、ジーリーの総持ち株比率は78.87%。

(注3)モーターインテリジェンスなど発表データに基づく。

(大原典子)

(米国、スウェーデン、中国)

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