インドでエタノール85%混合ガソリン(E85)の販売開始

(インド)

ニューデリー発

2026年06月11日

インドの首都デリーで6月5日、エタノール混合率が80~85%のガソリン(E85)の販売が開始された。E85の販売価格は、消費者への利益還元を目的に通常のガソリンと比較し、1リットル当たり約20ルピー(約34円、1ルピー=約1.7円)低く設定される。まずは48カ所の石油・ガソリン小売店で販売が開始され、2026年12月までにデリー首都圏(NCR)地域と西部ムンバイ~プネ~ナグプール回廊を中心に500店舗、さらに2027年12月までに主要都市5,000店舗での販売を目指す。

現在、インドでは市中で販売されるガソリンはE20に一本化されている。今後はよりエタノール混合率の高い燃料と、ガソリンとエタノールの混合比を問わず走行できるフレックス燃料車の普及により、2030/2031年度(2030年4月~2031年3月)までにインド全体でガソリンへのエタノール混合率を26%まで引き上げる計画だ。石油・天然ガス省は、E85に対応したフレックス燃料車は通常のガソリン車と比較し、ライフサイクル全体で温室効果ガス排出量を約61%削減できるとしている。

石油・天然ガス省のハルディープ・シン・プリ大臣は、フレックス燃料車の普及やガソリンへのバイオエタノール混合率向上により、農家の収入増加や二酸化炭素(CO2)の排出削減、原油の輸入量削減が期待されるとして有効性を強調した。また、フレックス燃料車は、国内調達できない重要鉱物に依存する電気自動車(EV)に対して車体価格が低く、既存の燃料インフラが利用可能など、高い競争力があるとした。

E85の発売に先立ち、マルチ・スズキは6月4日、「ワゴンR」のフレックス燃料モデルの発売を発表した。インド初の四輪車のフレックス燃料モデルとなる。二輪車では、これまでにホンダやスズキ、TVSモーターなどがフレックス燃料モデルを発売しているが、6月3日には大手二輪車メーカーのヒーローも新たにフレックス燃料モデルの発売を明らかにしている。

(丸山春花)

(インド)

ビジネス短信 6fab80fd17c752a4