インド、「デジタル・インディア」11周年で新たな取り組みを報告、半導体・AIなど
(インド)
ムンバイ発
2026年06月30日
インド電子・情報技術省は6月27日、2015年以降推進してきたデジタル化構想「デジタル・インディア」が11周年を迎える中、同構想の新たな段階となる昨今の半導体製造や人工知能(AI)分野での取り組みについて報告した(添付資料参照)。国の戦略資産と位置付ける半導体分野では、インドの技術的自立と製造基盤強化を狙う「インド半導体ミッション(ISM)」の下、承認された計12件のプロジェクトの総額約1兆6,400億ルピー(約2兆8,000億円、1ルピー=約1.7円)の投資計画を推進している。半導体製造の中核となるファブ(前工程)1件に加え、化合物半導体関連施設2件、組み立て・試験などの後工程施設9件で構成される。これにより、これまで輸入依存が高かった半導体供給網を国内に構築し、スマートフォン、自動車、データセンター、防衛など幅広い産業分野への供給力強化が期待されている。
インド政府は「デジタル・インディア」政策による通信インフラやデジタルサービス基盤の整備を受け、次の段階として半導体やAIといった先端分野に重点をシフトしている。また、両分野の連携も進めており、AI分野では約4万5,000基のGPU(Graphics Processing Unit、注)を備えた計算基盤の整備など、国内での高度なデータ処理・研究環境の構築を推進している。こうした取り組みは、設計から製造、実装に至る半導体エコシステム全体の強化を目的とする。さらに政府は、設計分野でも支援を拡充しており、設計連動型インセンティブ制度を通じて複数プロジェクトを支援しているほか、大学やスタートアップへの設計ツール提供など人材育成にも注力している。
インドにおける半導体政策は、単なる工場誘致にとどまらず、研究開発、人材、サプライチェーンを含む包括的な産業基盤の構築を目指す点が特徴である。政府はこうした取り組みにより、同国を世界の半導体供給網の一角に位置付けるとともに、長期的には輸出拠点化と技術主導型成長の実現を目指している。
(注)コンピュータ内で大量の計算処理を高速に並列実行するための半導体チップを指す。
(野本直希)
(インド)
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