日・タイで次世代産業「共創」に向けフォーラム開催

(タイ、日本)

バンコク発

2026年06月02日

ジェトロは514日、バンコクの製造業展示会「INTERMACH 2026外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で、両国の関係機関(注)と連携し、「日タイものづくり共創フォーラム」を開催し、約100人が参加した。電動化やデジタル化など、製造業を取り巻く環境が変化するなか、次世代モビリティー、バイオ燃料、宇宙などの成長領域への多角化を見据え、両国企業が技術・戦略を持ち寄る「共創パートナーシップ」を構築する契機とすることを目的とした。

写真 フォーラム共催者、後援者および登壇者のフォトセッション(ジェトロ撮影)

フォーラム共催者、後援者および登壇者のフォトセッション(ジェトロ撮影)

開会あいさつで、大鷹正人・駐タイ日本大使と経済産業省の田中一成・大臣官房審議官は、両国が長年築いてきた協力関係を基盤に、新たな成長領域での連携深化に期待を寄せた。タイ投資委員会(BOI)のナリット・タードサティーラック長官は、最新の投資恩典制度を紹介するとともに、両国の相互発展を今後さらに高めるため、日タイ共創による強固なサプライチェーン構築に向け支援を続けると強調した。

基調講演では、トヨタ・モーター・アジアのプラス・ガネシュ副社長が、モビリティーカンパニーへの変革において、モビリティーとデータやエネルギーを融合した新たな付加価値を提供するとし、その実現には異業種パートナーとの連携が重要だと説明した。

また、JR西日本(西日本旅客鉄道)イノベーション本部国際事業室の中村光宏・担当課長とJR貨物(日本貨物鉄道)鉄道ロジスティクス本部海外事業室バンコク駐在員事務所の山田ひろか所長は、鉄道事業は、車両製造での自動車部品メーカーの活躍や、IoTや自動化を活用した点検などで他業種との連携が生まれているほか、路線拡大が駅ナカや周辺開発、物流ソリューションの提供など関連ビジネスの創出に資すると紹介し、タイ鉄道事業での可能性を示唆した。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)バンコク駐在員事務所の中村全宏所長は、タイの宇宙産業が「科学技術協力」から「宇宙ビジネス協力」へと転換しつつあると説明した。また、自動車産業がかつて少量生産から量産化へ発展した事例を挙げ、タイが自動車部品製造拠点から、小型衛星や宇宙部品の製造集積地へ進化する可能性に言及した。

写真 本フォーラムの登壇者(左上:トヨタ・モーター・アジアのガネシュ氏、右上:JR西日本の中村氏、左下:JR貨物の山田氏、右下:JAXAの中村氏)(ともにジェトロ撮影)

本フォーラムの登壇者(左上:トヨタ・モーター・アジアのガネシュ氏、右上:JR西日本の中村氏、左下:JR貨物の山田氏、右下:JAXAの中村氏)(ともにジェトロ撮影)

参加した日系企業からは「モビリティーシフトの考えが参考になった」「他産業参入を考える機会となった」との声が聞かれ、異分野展開への関心がうかがえた。

閉会あいさつでジェトロ・バンコク事務所の阿部一郎所長は、自動車部品製造における精巧な加工技術は今後、宇宙やインフラ産業、食品加工機械、医療機器などあらゆる分野でも応用が可能であり、両国企業が連携し、技術やアイディアを融合させ、新たな価値の共創が重要とした。また、ジェトロでは、今後も在タイ日系製造者の事業多角化に向けた支援を本格化させるとした(添付資料参照)。

(注)本フォーラムは、日本の経済産業省、在タイ日本大使館、タイ投資委員会(BOI)が共催、バンコク日本人商工会議所(JCC)、タイ下請振興協会、タイ工業連盟(FTI)などが後援した。

(山崎牧子、長崎博明、野田芳美)

(タイ、日本)

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