中国国務院、「都市更新」に関する5カ年規画を発表、老朽地区の改修や都市のグリーン転換を推進
(中国)
北京発
2026年06月02日
中国国務院は5月22日、「都市更新『第15次5カ年規画』の公布に係る通知
」(以下、通知)を発表した(中国政府網への掲載日は5月28日)。
同通知は、2030年までに「都市更新」(注1)の取り組みで重要な進展を遂げるとの方針を示し、10の主要指標(添付資料表参照)を定めた。また、2035年までに都市更新に関する体制および仕組みのさらなる整備を進め、都市構造の最適化、成長動力の転換、都市の質の向上、グリーン転換、歴史・文化の継承、ガバナンス効率の向上といった分野において顕著な成果を達成するとした。同通知で示された主な基本方針は次のとおり。
(1)都市発展の新たな成長エンジンの育成・強化
(2)質の高い都市生活空間の創出
(3)都市発展のグリーン・低炭素化への転換の推進
(4)都市の安全性およびレジリエンスの強化
(5)都市文化の繁栄と発展の促進
(6)都市ガバナンス能力の向上
(7)都市更新に関する政策体系の整備
(8)実施体制の整備
このうち(1)については、各都市の実情に即した都市更新を行うとしたうえで、老朽化した街区や工場地区、利用効率の低い産業団地やビルなどの転換・高度化を推進し、伝統産業の最適化および新興産業や未来産業の育成・拡大を図るとした。また、消費関連インフラの改修・高度化を進め、首発経済(注2)、シルバー経済、氷雪経済(注3)、低空経済(注4)などを発展させるとした。そのほか、不動産発展の新たなモデル構築を進め、分譲住宅の開発、融資、販売などに関する基礎的な制度を整備するとした。
(2)については、安全、快適、グリーンかつスマートな「良質住宅」の建設および改修を進め、高齢者への対応やバリアフリー改修を普及させるとした。さらに、建設から20年以上経過した都市住宅団地に対する特別調査を実施し、インフラにおける不足な点の解消や、サービス機能および居住環境の質の向上に重点を置いて改修を進めるとした。
(3)については、高エネルギー消費型の工業建築物の改修・高度化を推進するほか、グリーン建築を発展させ、超低エネルギー消費建築および低炭素建築の大規模な普及を推進するとした。また、グリーン設計・施工を普及させ、新エネルギー車両や機械の使用を奨励するほか、建築材料のリサイクル利用を強化し、建設廃棄物の削減を促進するとした。
(注1)中国語の「都市更新」は、老朽地区の改修、インフラの更新、歴史文化保護、スマートシティ化など、都市機能の改善における包括的な取り組みを指す。
(注2)首発経済は、企業による新製品の発表、新業態・新モデル、新サービス、新技術の導入、店舗の開業などの経済活動の総称を指す。これまでになかった新たな製品やブランドを出店することで、経済を振興させることを目的とする。
(注3)氷雪経済は、雪資源の開発や利用に基づく経済活動で、ウインタースポーツ、観光、文化、教育、関連設備などの産業が含まれる。
(注4)低空経済は、高度1,000メートル以下の低空域で、有人・無人のドローンやeVTOL(電動垂直離着陸機)などを活用した経済活動のことを指す。活用分野は配達や農業、観光、都市交通など多岐にわたる。
(西島和希)
(中国)
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