南ア、鉄鋼製品の関税引き上げ

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2026年06月09日

南アフリカ共和国政府は5月15日、国内の鉄鋼産業を保護するため、幅広い範囲の鉄鋼製品に対して関税率を10~30%に引き上げた。南ア歳入庁(SARS)が、WTOの加盟国が適用できる輸入関税率に沿って、関税率を引き上げる旨を官報で発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

鉄鋼製品の関税引き上げに向けては、2024年6月にパークス・タウ貿易産業競争相が南ア国際貿易管理委員会(ITAC)に対し、鉄鋼関税(関税表の第72類、第73類、第82類、第83類)を諮問していた。今回のSARS官報の通知は、次のとおり、関税の一般税率を規定している。

  • 10%:主に第72類に分類される鉄鋼のフラットロール製品、電気鋼、合金鋼製品
  • 15%:主に第73類に分類される溶接および継ぎ目のない管やパイプ、継手、タンクやドラム、ワイヤーロープ、フェンス、チェーン、ネジ、ホチキスなど
  • 20%:主に第82類および第83類に分類される手工具、ノコギリ、レンチ、ハンマー、ペンチ、ドライバー、交換可能な工具
  • 30%:ワッシャーやその他の第73類の金具

南アは2026年3月、中国、日本、台湾、タイの一部の鉄鋼製品に関して高率のアンチダンピング関税を課していた。しかし、今回は英国、EU、欧州自由貿易連合(EFTA)、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の国々を除く、南アと貿易協定などを結んでいない多くの国々に影響を及ぼし、かつ広範囲の鉄鋼製品に影響を与えることとなる。

一方、南ア政府は国内製造ができない鉄鋼製品に対しては免税輸入を認めるリベート規定を既に導入して、国内製造業者を不要なコスト高から守る措置を講じている。これらのリベート規定は、自動車産業などのハイテク産業で使用される鉄鋼製品などを対象としている。2025年11月のITAC報告書では、「自動車業界と鉄鋼メーカーは政府の支援を受けて協力し、業界全体で共通して使用される鉄鋼製品仕様を特定するべきであり、その製品は国内で優先的に生産するべきだ。しかし、特定の種類の鋼材が国内では入手できない、あるいは国内で製造するほどの需要がない場合などには、リベート規定を適用するべきだ」としている。

(トラスト・ムブトゥンガイ、多崎央)

(南アフリカ共和国)

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