ASPAC新潟大会が開催、訪日客から県産清酒への意見を収集

(日本、アジア)

新潟発

ジェトロは61214日、ASPAC新潟大会(注)の「ASPACにいがたEXPO」で、インバウンドの来場者を対象に、新潟県内の酒蔵9社の清酒などのマーケティング調査を実施した。ASPACの来場者は、2040代の若手経営者を含む国際青年会議所(JCI)のメンバーであり、国・地域は、香港、韓国、モンゴル、マレーシア、フィリピン、インドをはじめとするアジアが中心だ。

本調査はBtoCの海外消費者であるインバウンド客へのヒアリングマーケティングで、得られた情報をBtoB商談で活用する。さまざまな国・地域のインバウンド客に対し、食生活やアルコールへの理解度から、酒質、ラベルデザイン、ペアリング、プロモーション、価格などに関する情報を収集した。ヒアリングは1人当たり15分程度の対話形式で実施し、あらかじめ準備した質問への回答以外の情報を引き出すよう工夫した。3日間で131人に複数銘柄についてヒアリングし、293サンプルを収集した。

マレーシア・サラワク州のインバウンド客からは「Tuak(トゥア)というライスワインがあるサラワクの人にとって、日本酒は受け入れやすいと思う」というコメントがあり、自国の酒類との親和性から原材料(コメ、水)にも関心が及んだ。また、日本酒の認知度を上げるための工夫を尋ねたところ「マレーシアで人気の韓国ドラマにはソジュなどを飲むシーンが多いため、韓国の酒類の認知度が高い。一方、日本のアニメには日本酒を飲むシーンがあまりない」として、日本のアニメへの関心の高さを活用したプロモーションが効果的ではないかという意見があった。

参加酒蔵からは「主力商品である辛口の清酒だけでなくリキュールの評価も良かった。これまでアジア圏のバイヤーとの商談では、辛口の清酒の引き合いが多かったが、リキュールもより積極的に提案していきたい」と、今後の商談や輸出戦略に役立つとのコメントがあった。

清酒のマーケティングを手掛ける酒販店のわたご酒店は、インバウンド客から得られる情報をマーケティングに生かす手法について、「これまでインバウンド客向けに事業を実施したことがなかったが、今後は酒屋としてもインバウンド客に清酒を知ってもらえるよう事業を検討したい。輸出に挑戦するよりも、来日したインバウンド客にしっかりと日本酒を理解した上で楽しんでもらうことが、今後の清酒産業の発展に向けて酒販店が取り組めることだと感じた」とコメントした。今回、初めて酒販店を調査に活用したことで、地域や清酒業界へのさらなる波及効果が見込まれる結果となった。

写真 3日間にわたりインバウンド客に試飲を提供し、ヒアリング調査する様子(JTB提供)

3日間にわたりインバウンド客に試飲を提供し、ヒアリング調査する様子(JTB提供)

ジェトロは本調査事業だけでなく、バイヤー招聘(しょうへい)・商談会を組み合わせることで、多面的な輸出支援を継続して実施していく予定だ。

(注)ASPACJCI Asia Pacific Conference)とは、国際青年会議所(JCI)がエリアごとに開催するアジア・太平洋地域の国際会議のこと。日本での開催は主に4年に1回。新潟青年会議所は新潟の発展と国際化のため、10年の年月をかけて誘致を実現させた。

(卜部眞風)

(日本、アジア)

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