大統領選のサンチェス候補が公約変更を発表、外交重要国に日本など明記

(ペルー)

リマ発

2026年06月05日

ペルー大統領選挙の決選投票を6月7日に控え、ロベルト・サンチェス候補は6月1日、地元プレスに対し決選投票に向けた選挙公約を変更したと発表した。ただ、「2026年総選挙の立候補手続きに関する規則」〔ペルー選挙審議会(JNE)告示0164-2025-JNEPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)〕第19条によると、選挙公約の途中変更は認められないためJNEでは受け付けない。サンチェス氏自身が一方的に変更を主張している。同氏が新公約と称する文書をジェトロが独自に入手し調査したところ、JNEが受理している正式な公約との共通点と相違点があることが明らかになった。

主な共通点は次のとおり。

  • 憲法改正:改正を目指す強い意志が示されている点は変わっていない。ただ、新たな公約では、国民的対話による憲法改正の実現のためリーダーシップを取ると主張している。
  • 鉱業分野における法的枠組みの変更:経済的な民主化を進めるため法的枠組みの変更が必要という主張は変わっていない。新公約では中小零細規模の鉱業会社が活動する環境の整備に関する記述が増えた。その背景には、中小零細規模の鉱業会社の中には政治献金をしながら違法操業を繰り返しているケースもあるとされ、かねて大統領選挙への影響が指摘されている(2025年7月1日記事参照)。
  • 気候変動による自然災害への対策:農林水産業に影響を及ぼす自然災害に備えることを訴えている。新公約では、河川地域などにおける対策工事のため、国家基金を創設することを追記した。

主な変更点は次のとおり。

  • 自由貿易協定(FTA):正式な公約では、ペルーの国益にそぐわない場合は相手国・地域とFTAの見直し交渉もあり得るとしているが、新公約ではFTAを尊重すると明記し、方向転換した。
  • 中央銀行の独立性の確保:正式な公約では中銀の独立性に触れていなかったが、新公約で明記した。
  • カミセア・ガス田に関する戦略的な再交渉:正式な公約では重要資源の確保に関する国策の必要性が記されているが、新公約で具体的にガス田の名称が記された。再交渉の目的は、国内で利用するガスの確保、探査と埋蔵量の確保、ガスを活用した国内での産業化にあるとしている。
  • 外交上の重要国・地域:新公約では海外諸国との友好・協力関係を維持する方針を記し、具体的な重要国・地域として、中南米諸国、米国、中国、欧州、韓国、日本、インドを挙げた。

(石田達也)

(ペルー)

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