ムンバイで水不足懸念、モンスーン降雨量減少予測で需給逼迫リスク高まる
(インド)
ムンバイ発
2026年06月08日
インド西部マハーラーシュトラ州ムンバイで、水不足の懸念が高まっていると現地紙が報じた(「フィナンシャル・エクスプレス」紙6月3日)。市の水源である7つの貯水湖の貯水量は、6月初旬時点で総容量の約15%にとどまり、現在の消費水準では約45日分の水量しか確保されていない状況だ。インド気象局(IMD)は今季のモンスーン降雨量予測を長期平均の90%へと下方修正し、平年を下回る見通しを示している。モンスーン降雨への依存度が高いムンバイにとって、降雨不足は直接的な水供給リスクにつながるため、市当局の危機感が強まっている。
ムンバイ市を管轄するムンバイ市行政当局(BMC)は、緊急対応として、貯水状況の監視強化や給水車の運用管理の厳格化に着手した。水価格の高騰防止や供給の公平性確保を目的に、民間給水の統制も進める方針である。また、市民に対して節水を呼び掛けるとともに、既に導入済みの10%の給水制限措置を当面維持する。今後2カ月間は、貯水湖への降雨流入が重要な判断材料となり、モンスーン初期に十分な降雨量が得られれば、年間供給に支障は生じない可能性もある。一方、降雨不足が続いた場合には、追加の給水制限や地域別配水の調整など、需要抑制策が求められる懸念もある。
さらに、エルニーニョ現象による気温上昇に伴い、貯水湖の蒸発量が増加するリスクも指摘されており、2027年夏季にかけて水需給の逼迫が一層深刻化する恐れがある。ムンバイは代替水源に乏しく、降雨による貯水湖の補充に依存する構造的課題を抱える。今回の事態は、都市インフラ投資や水資源管理の重要性をあらためて示しており、中長期的には貯水能力の拡張や供給源の多様化など、抜本的な対策の検討が求められる。
(野本直希)
(インド)
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