アムステルダムで「Green Tech 2026」開催、自律栽培に向けたAI活用やデータ連携を議論
(オランダ)
アムステルダム発
2026年06月23日
オランダ・アムステルダムで6月9~11日、農業・園芸技術に関する国際展示会「GreenTech Amsterdam 2026」が開催され、約530社が出展した。会場では人工知能(AI)やロボティクス関連の展示が目立ったほか、自律栽培やデータ活用の将来像をテーマとした講演が行われた。
自律栽培を支えるロボットシステム(ジェトロ撮影)
農業・園芸技術の未来をテーマとした講演では、気候変動や食料安全保障への関心の高まりを背景に、環境制御型農業(Controlled Environment Agriculture)の重要性が増しているとの認識が示された。温室など環境を制御した栽培方式は、限られた土地や水資源で安定的な生産を行える一方、エネルギー利用の効率化や労働力不足への対応、生産性向上などの課題を抱えている。
こうした課題への対応策として注目されているのがAIやデータ活用だ。AI活用をテーマとした講演では、画像認識やレポート作成、データ分析など個別用途での利用に加え、栽培管理や経営判断を支援する総合的な活用事例が紹介された。また、汎用(はんよう)的なAIだけでなく、農業分野特有の知識やデータを活用した専門特化型AIの重要性も指摘された。講演では、AIを単独のツールとして導入するのではなく、農業の課題解決にどのように活用するかが重要との考えが共有された。
一方、デジタル化の進展に伴う課題としてサイバーセキュリティーも取り上げられた。温室設備はクラウドや遠隔監視システムとの接続が進んでおり、サイバー攻撃の対象領域が拡大している。温室内の温度管理や灌水(かんすい)管理などがデータに基づいて行われるため、データ漏えいだけでなく、データ改ざんによる生産への影響も懸念されている。講演では、アクセス制御や侵入検知、バックアップ体制の整備などの必要性が強調された。
また、複数の講演で共通して言及されたのが、個別技術の開発だけでは不十分という点だ。AI、ロボティクス、環境制御などの技術は既に数多く存在するが、生産者は複数のシステムやデータを個別に管理しなければならない状況にある。このため、オランダ応用科学研究機構(TNO)やワーヘニンゲン大学・研究機関(WUR)などは、異なるシステム間でのデータ連携や知識共有を可能にする基盤整備に取り組んでいる。講演では、自律栽培の実現に向けて、AIやロボットそのものだけでなく、データ連携や知識共有の仕組みづくりの重要性が繰り返し議論されていた。
日系企業では、静岡発の農業技術スタートアップ、ハッピークオリティー(Happy Quality)、デンソー傘下のセルトン(Certhon)などが出展した。
Certhonによる展示ブース(ジェトロ撮影)
(奥井浩平)
(オランダ)
ビジネス短信 3376baf4cef21b19





閉じる