BYD、自社開発の4ナノ自動運転用チップを発表
(中国)
上海発
2026年06月09日
比亜迪(BYD)は5月28日、インテリジェント化戦略発表会を開催し、4ナノメートル(nm)プロセスの自動運転用チップ「璇玑A3」(Xuanji A3)を開発したと発表した。同社によれば、自社開発の自動運転用4nmチップは中国初だ。既に量産を開始し、L3およびL4(注1)の自動運転に対応する性能をもつとされる。
今回発表された新チップは、1台の車に3基を搭載することで演算能力は2,100TOPS(注2)を上回るほか、消費電力は同等製品比で20%低減したという。また、自社開発アルゴリズムとの最適化により計算効率は2倍となり、応答速度の向上に加え、複雑な運転環境への対応力が向上するとした。
王伝福董事長は発表会で、「電動化の前半戦は電池、スマート化の後半戦はチップが鍵となる」と述べた。また、自動車のスマート化に向けた3大目標として、(1)交通事故ゼロ、(2)運転支援のスーパー・ドライバー化、(3)人工知能(AI)の「スーパー秘書」化(注3) を掲げた。
同社は、2002年にIC設計部門(現在のBYD半導体の前身)を設立して以来、車載用半導体の開発を推進してきた。これまで、IGBTおよびSiCパワー半導体の量産車搭載を中国国内でいち早く実現し、国家科学技術進歩賞を2度受賞している。現在、13カテゴリー、567種類の製品を展開し、46の国内外自動車ブランドに採用されている。研究開発人員は7,000人を超え、累計投資額は1,000億元(約2兆3,000億円、1元=約23円)以上に上り、4つの研究拠点と5つのウエハー製造工場を保有している。
運転支援システムの安全補償も拡充
さらに、運転支援システム「天神之眼」を対象に、安全補償の拡充も発表した。2025年2月、同社は全車種に「天神之眼」を標準搭載する方針を発表した(2025年2月18日記事参照)。同年7月に自動駐車支援機能の安全補償制度を導入して以降、同機能の利用率は当初の21%から現在は93%まで向上し、事故発生率もゼロに近い水準となっているという。今回、新たに都市部における自動運転支援機能を対象とした安全保証を打ち出し、発表会当日から1年間、同機能の適正利用時に発生した事故について、直接損失(車両修理費、第三者財産損失、人身損害)を同社が補償するとした。
(注1)中国工業情報化部による「汽車駕駛自動化分級(自動車運転自動化分類)」の国家標準で、自動運転レベルの1つ。L0からL5まで6段階あり、L4は高度自動運転と定義されている。
(注2)TOPSはテラ・オペレーション・パー・セカンドの略で演算処理回数の単位。1秒当たり1兆回の意。
(注3)「スーパー秘書」は、スマートカーにAI機能を組み込み、あらゆる質問に応答できるようにするもの。
(陳貝蓓)
(中国)
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