中国、重点産業の省エネ・炭素排出削減強化に関する通知を発表、2028年までにCO2を2億トン超削減へ
(中国)
上海発
2026年06月24日
国家発展改革委員会と工業情報化部など5部門は6月15日、「重点産業における省エネルギー・脱炭素改造に向けた3カ年行動に関する通知
」を発表した。通知では、第15次5カ年規画の省エネルギー・脱炭素の目標を達成するために、2028年末までに、鉄鋼、電解アルミ、セメント、板ガラス、製油、エチレン、合成アンモニア、メタノールなどの重点産業において、現行のエネルギー効率基準を達成する生産能力の占める割合を平均20ポイント引き上げる。石炭火力発電についても15ポイントの引き上げを目標とし、基準未達の非効率設備は実質的に解消する方針だ。これにより、累計1億トン標準炭(注)以上の省エネルギー実現と、2億トン以上の二酸化炭素(CO2)排出削減を見込む。
具体的には、産業別に次の改造を重点的に推進する。
鉄鋼産業では、高炉、転炉など主要工程・設備における省エネルギー・脱炭素改造に加え、水素冶金(やきん)など低炭素技術の導入を推進する。余熱・副生ガスの回収・利用を強化し、小規模設備や老朽化した設備の改造を加速する。
電解アルミ産業では、大型電解槽〔500キロアンペア(kA)以上〕の普及拡大や、高性能電極などの導入を進めるとともに、300kA未満の設備や小規模のアルミ用炭素材料プロジェクト、老朽・低効率の自家用石炭火力発電ユニットなどの改造を加速する。
セメント産業では、セメントクリンカーの生産など主要工程における省エネルギー・脱炭素改造を推進し、6段プレヒーターや高効率クーラーの導入、キルンの富酸素燃焼システムの改造、原燃料の低炭素化を進めるとともに、年間生産能力60万トン未満の粉砕ステーションなどの改造を加速する。
このほか、板ガラス、石油化学(製油・エチレン)、化学(メタノール・合成アンモニア)分野でも、低炭素技術の導入や設備改造、電化の推進が求められている。石炭火力発電分野では、既設設備の効率向上や調整能力の強化、再生エネルギーとの統合、バイオマス混焼などによる低炭素化を進める。
また、政策面では、中央政府が対象プロジェクトに対し総投資額の20%を上限に補助を行うほか、優遇税制や金融支援を強化する。電力価格については、地域ごとに差別化料金制度に再編し、エネルギー効率や排出水準に応じた価格インセンティブを付与する。
さらに、企業による省エネルギー改造で削減された排出量は、新規「高エネルギー消費・高排出」プロジェクトの排出枠として活用可能とするなど、炭素排出権取引市場との連携も図る。基準未達設備については2028年末までの改造を義務付け、期限までに改造が完了しない、あるいは改造後も基準に満たない場合は規定に基づき淘汰(とうた)・停止とする方針を示した。
(注)異なるエネルギー(石炭・石油・ガス・電力など)を同じ基準で比較するための換算単位。
(宋青青)
(中国)
ビジネス短信 2dfd4274c3ef1bd3





閉じる