油田などでのガスのフレアリングが世界で3年連続増加、エネルギー安全保障にも影響、世界銀行が報告

(中東、世界、アフリカ)

調査部中東アフリカ課

2026年06月25日

世界銀行は6月23日、ガスのフレアリング(油田などでの随伴ガスの燃焼)に関する報告書「2026 Global Gas Flaring Tracker Report」に関するプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。同報告によると、世界のフレアリングは3年連続で増加し、2025年には1,670億立方メートルに達し、540億ドル相当のガスが浪費され、エネルギー安全保障にも影響するという。

2025年のフレアリングの量はアフリカ全体の年間ガス消費量に匹敵し、また、ペルシャ湾を通る年間の液化天然ガスの量を上回るとの推計だ。国別のフレアリング量を見ると、ロシア、イラン、イラク、ベネズエラ、メキシコ、リビア、アルジェリア、ナイジェリア、米国が多く、9カ国でフレアリング量の5分の4以上を占めるという。

ガスの浪費から利用へ

同報告では、多くの国が高価なガスを輸入する一方で、油田では大量のガスを燃焼させているとした。

特に貧困国がエネルギー不足に直面する中、ガスを回収することで、エネルギー安全保障を強化し、ガス収入が増加するほか、発電を行い、雇用創出や経済活動を支えられるという。加えて、フレアリングを抑えることで温室効果ガス排出量を削減できる可能性もある。

報告書では、フレアリングの削減や回収の障害となっているのは、技術的な問題ではなく、不十分な規制、資金不足、インフラの未整備、事業者と政府が優先事項と捉えていないなどといった構造的な問題だと指摘した。また、世界的な通常のフレアリングを削減するには、推定700億~1,000億ドルが必要となるが、これは現在浪費しているガスの年間価値の2倍未満だとした。

(井澤壌士)

(中東、世界、アフリカ)

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