風力発電拡大に向けた国内市場調査実施を当局が発表、送電網整備などの課題も
(ハンガリー)
ブダペスト発
2026年06月24日
ハンガリーのエネルギー・公共事業規制局(MEKH)は6月16日、新規風力発電プロジェクトや既存設備の拡張を計画している市場参加者や投資家を対象としたアンケート形式の市場調査を実施すると発表した。本調査の目的は、風力発電設備の建設に必要となる送電網の設置場所や送電容量の予備評価に求められる情報を収集・分析し、計画中のプロジェクトの実施時期を予測することにある。
このような動きは、近年のハンガリーにおける風力発電に対する規制改革に連動したものだ。同国での風力発電設備の建設は、2009年に厳格な規制〔住宅地(保護区域)から設置場所までの距離制限や入札制度など〕が制定されて以降、事実上停止していた。その後、EUからの政策面での圧力も受け、2024年1月に風力発電に関する規制を大幅に緩和したことで、それまではほぼ不可能だった新規開発が可能となった。特に、住宅地(保護区域)からの設置距離要件が12キロから700メートルへと大幅に縮小され、義務的な入札や複雑な許認可手続きも撤廃・簡素化された。
既存設備は北西部(オーストリアとの国境周辺)に集中しており、2025年12月に同地方の8郡が風力発電の新設あるいは既設拡張の促進地域として指定された。なお、政府が2024年に発表した「国家エネルギー・気候計画(NECP)」(注)では、同年時点での風力発電容量〔約330メガワット(MW)〕を2030年までに3倍の1,000MWまで拡大する政策目標が掲げられている。
一方、いくつかの課題もある。ハンガリーにおける再生可能エネルギーの拡大は主に太陽光が牽引している。特に、系統接続容量の不足は大きなボトルネックであり、送電網の増強スピードが再エネプロジェクトの成否を左右する。MEKHが実施予定の市場調査は、このボトルネックを特定することを目的としており、今後の送電網整備や容量配分に関する意思決定のための基礎情報となることが期待される。ただ、建設可能用地や環境アセスメントなどに関する規制は残っており、環境団体も依然残っている課題として指摘している。
MEKHは、本アンケート調査の開始日について別途発表を行う予定で、関係者は、計画中のプロジェクトについて、2週間半以内に回答することになる。
(注)加盟各国が策定するEUの気候変動目標達成に向けた計画表。
(バラジ・ラウラ)
(ハンガリー)
ビジネス短信 27ead1893a21c38c





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