2026年5月のインド保険市場、生保は伸びが鈍化、損保は医療主導で堅調維持

(インド)

ムンバイ発

2026年06月24日

ムンバイに本社を置く地場大手格付け会社Care Edge Ratingsは、インド保険市場の2026年度(2026年4月~2027年3月)5月業績を公表した(生命保険:6月10日、損害保険:6月23日)。

生保の新契約保険料(New Business Premium:NBP)は、5月単月で約3,203億900万ルピー(約5,445億2,500万円、1ルピー=約1.7円)と前年同月比5.1%増となり前月に引き続きプラス成長を維持するも、前年同月の伸び率(12.7%増)からは大幅に鈍化する結果となった(添付資料表1~3参照)。背景として、団体保険の主力である一時払い保険の伸びが鈍化したことが挙げられる。同分野は保険料収入全体に占める割合が大きく、民間生保会社で1.8%減、国営生保ライフ・インシュランス・コーポレーション・オブ・インディア(LIC)でも4.4%増にとどまり、これまでの高成長からの反動減が生じた。

損保の保険料収入総額(新規、更新の合計)は、5月単月で約2,419億5,000万ルピー(前年同月比8.7%増)と堅調な伸びになった。成長を牽引したのは医療保険で、特に個人向けの医療保険は約3割増と高い伸びを示しており、医療費の上昇や保障ニーズの拡大を背景に需要が拡大しているものとみられる。自動車保険も約1割増と堅調に推移し、新車販売の増加を背景に、車両保険(OD)および対人賠償保険(TP)の双方で安定的な需要がみられた。一方、法人向けの商業保険は低迷が続く。火災保険は2割超の減少となり、価格競争の激化による料率低下が影響した。

生保市場に対する見解について、同社シニア・ディレクターのサンジェイ・アガルワル氏は、「5月は前月比で伸びが鈍化したものの、累計では前年からの成長を維持しており、新契約保険料は前年同期比19.4%増となっている。この成長は、個人向けの貯蓄性および保障性商品の継続的な需要に支えられたものである」と述べている。

損保市場に対する見解について、同社ディレクターのプリイェシュ・ルパレリア氏は、「今後の見通しとしては、保険に対する意識の高まり、医療費の増大、販売網の拡大、デジタル化の進展といった構造的要因が業界の成長を支えると予想される。医療保険と自動車保険が引き続き主要な成長エンジンとなる一方で、法人向けの保険、特に火災保険の競争の激化は、価格設定や保険料収入の伸びに対する下押し圧力となる可能性がある」と述べている。

(野本直希)

(インド)

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