サウジアラビアの交通事故死者数、2025年は2016年比で60%超の減少

(サウジアラビア)

リヤド発

2026年06月24日

サウジアラビア交通安全閣僚委員会(注)は6月22日、2025年の交通安全年次報告書を公表した。同報告書によると、2016年から2025年の間に同国の交通事故死者数が60%超の大幅な減少を記録した。これは同国の国家改革戦略「サウジ・ビジョン2030」の戦略目標の1つであり、取り締まり技術の拡充やインフラ整備の効率化が寄与している。人口10万人当たりの死者数は、2016年の27.9人から2025年には12.05人にまで低下した。また、同期間における交通安全対策により、累計で836億リヤル(約3兆5,948億円、1リヤル=約43円)の経済的損失が削減された。

2025年の事故の主な原因は、車間距離の不保持(29.2%)、急な車線変更(27.9%)、優先通行権の侵害(10.3%)、脇見運転(5.6%)、逆走(0.7%)だった。交通事故死者の内訳は男性86.5%、女性12.8%となっており、年齢別では19〜40歳が52.3%と若年層に集中している。国籍別では、サウジアラビア人が51.3%を占めた。地域別の人口10万人当たりの死者数では、リヤド州(10.15人)と東部州(7.68人)が全国平均を下回る一方、北西部タブーク州(19.38人)や南西部バーハ州(18.73人)などでは依然として高い数値となっている。

政策面では、交通法第74条・第75条の改正が実施されたほか、陸上輸送および同施行規則が新規に施行され、重大な交通違反を犯した外国人運転者の国外退去措置も導入された。

また、自動取り締まり件数が前年比37%増加し、紙媒体による違反記録は67%減少した。救急対応面でも改善が進み、ハッジ巡礼期の救急車の到着時間において目標の15分を大幅に下回る平均8分34秒を達成した。サウジアラビア政府は最新技術の導入を通じ、今後も安全で持続可能な交通環境の整備を推進する方針だ。

(注)サウジアラビアにおける交通安全関連の国家戦略やイニシアチブの策定、データの収集・分析、関係機関のパフォーマンス監視などを担う組織。

(林憲忠)

(サウジアラビア)

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