デンマーク経済、中東リスク下でも成長維持と評価
(デンマーク、中東)
デュッセルドルフ発
2026年06月08日
経営者、労働組合、政府、その他経済学者などから構成される経済諮問機関のデンマーク経済評議会は5月26日、2026年春の報告書
(英語要約版
)を公表し、同国経済は現時点で「極めて堅調」との評価を示した。中東情勢の緊迫化やエネルギー価格の上昇など外部リスクが2026年中に和らげば、緩やかな成長を維持するとの見解を示した一方で、外的要因に加えて政府の財政政策という内的要因による経済の不均衡リスクに警戒感を示した。
同評議会は、デンマーク経済について、現在は大きな不均衡は見られず、底堅さを示していると分析した。実体経済の見通しとしては、2026年の実質GDP成長率は1.9%、2027年は1.3%と、減速しつつもプラス成長を維持する見込みとした。雇用についても、2026年は増加が見込まれ、引き続き労働市場は堅調に推移すると見込む。また、インフレ率は2026、2027年ともに約2%と安定的に推移すると予測されており、急激な物価上昇への懸念は現時点で限定的とし(注)、デンマーク経済が高い原油価格や地政学的緊張に対しても強靭(きょうじん)性を示していると評価した。
もっとも、今後の見通しについては不確実性が高いとし、中東情勢の長期化によるエネルギー価格の高止まりや国際経済の減速がリスク要因として挙げられた。原油価格が大きく上昇するシナリオでは、成長率の低下やインフレ率の上振れが生じる可能性があるとしている。また、政府が推し進める防衛費の増額などの財政政策は景気を過度に刺激するもので、成長率が低下した場合であっても安定化の観点から妥当とされる範囲を超え、不均衡が生じるリスクを高めるものだと警戒感を示した。
デンマークは小規模な開放経済で、世界経済の動向に大きく左右される構造にある。同評議会は、現時点では堅調な経済状況が続くとしつつも、外部環境の変化に対する注視が引き続き必要としている。
(注)石油価格は、2026年5月時点での市場の期待を基に仮定。5月上旬から徐々に下がり始め、2026年の平均は1バレル当たり88ドル、2027年は78ドルを仮定したモデルに基づく。
(安岡美佳)
(デンマーク、中東)
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