トランプ米大統領、イランとの覚書は「核阻止が核心」

(米国、イラン、イスラエル、レバノン、フランス)

テルアビブ発

2026年06月19日

米国のドナルド・トランプ大統領は6月17日、G7サミット閉幕後にフランス・エビアンで行った記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、米国とイランによる覚書合意の核心は「イランに核兵器を決して持たせないこと」にあると強調し、核兵器の開発阻止を最大の戦略目的と位置付けた。

トランプ大統領は、イランの核能力は大幅に制約されたとの認識を示し、「今回の合意は核拡散を阻止する壁となる」と述べ、歴史的な安全保障成果であるとした。また、合意が成立しなければ軍事作戦を継続していた可能性に言及し、今回の枠組みは大規模攻撃や海上封鎖を含む軍事圧力を背景とした成果であるとの認識を示した。

また、同大統領は経済面の効果について、今回の合意に反応して実際に原油価格の下落や株式市場の上昇が見られると成果を強調するとともに、「合意がなければホルムズ海峡は開かなかった」とし、同海峡の再開がエネルギー市場と世界経済の安定に直結すると指摘した。

今後については、覚書はあくまで暫定的枠組みにすぎず、「合意が守られなければ再び攻撃する」と、軍事的抑止を維持する姿勢を鮮明にした。

バンス米副大統領、イスラエルの安全保障を重視

米国のJ.D.バンス副大統領は6月18日、ホワイトハウスでの記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、対イラン覚書がすでに原油輸送の回復や価格下落といった成果を生んでいると評価し、イランもホルムズ海峡での攻撃を控えるなど初期措置を履行していると指摘した。一方で、バンス副大統領は「イランの核兵器計画は完全に破壊された」とし、核能力の除去が今回の最大の戦略的成果との認識を示した。また、経済的利益は全てイランの行動変化を条件とするもので、「履行しなければ利益は得られない」と述べ、圧力と利益を組み合わせた枠組みであると説明した。

バンス副大統領はイスラエルに関しては、同国の自衛権を明確に認めつつも、レバノン南部に拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラによる攻撃停止とイスラエル側の軍事行動抑制が不可欠と指摘し、レバノン情勢は依然として管理が必要との考えを示した。その上で、イランの能力低下と行動制約が、結果としてイスラエルを含む地域全体の安全保障環境改善につながるとの見方を示し、今後の焦点はイランの履行と検証体制の確立にあるとした。

イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応イスラエルとハマスの衝突の動き、各国の反応を参照。

(中溝丘、イバン・ステシェンコ)

(米国、イラン、イスラエル、レバノン、フランス)

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