2026年の非石油地場輸出予測を前年比3~5%増に上方修正、背景にAI関連需要増
(シンガポール)
シンガポール発
2026年06月04日
シンガポール企業庁(エンタープライズ・シンガポール)は5月25日、2026年第1四半期(1~3月)に国内生産されたエレクトロニクス製品の輸出が、人工知能(AI)関連需要の拡大を背景に、前年同期比57.8%増だったと発表した。予想を上回る輸出の伸びを受け、2026年通年の石油を除く地場輸出(NODX、注)の予測をこれまでの「2.0~4.0%増(2026年2月発表)」から、「3.0~5.0%増」に引き上げた。
2026年第1四半期のNODXは前年同期比9.6%増と、好調なエレクトロニクス製品の輸出が全体を押し上げた。品目別では、集積回路(IC)が80.6%増、ディスクメディア製品が81.6%増と、大幅に増加した。エレクトロニクスのNODXの輸出先では、台湾向けが約2.2倍と伸びが最も大きく、次いで米国が約2.1倍、香港が79.2%増だった。
企業庁は2月以降の国際経済について、「活発なAI需要に支えられ、予想以上の強靭(きょうじん)さを維持した」と指摘した。今後の下振れリスクとしては、「中東における紛争の長期化と貿易摩擦の再燃」を挙げた。
2026年のGDP成長率予測、2~4%を維持
貿易産業省(MTI)は同日、中東情勢悪化による経済下振れリスクが高まるなかでも、2026年通年のGDP成長率予測「2.0~4.0%増」を据え置くと発表した。国内経済の見通しが2月以降に悪化したものの、第1四半期の実質GDP成長率が前年同期比6.0%増と予想を上回ったことから、現行予測を維持した。
MTIは同日発表した経済報告書(エコノミック・サーベイ)で、国内エレクトロニクス産業を巡るリスク要因として中東における紛争を挙げた。ホルムズ海峡封鎖に伴うエネルギー価格の高騰や、ヘリウムなどの原材料調達の難化が、半導体生産活動に影響を及ぼす可能性に言及した。さらに、紛争が長期化し、新たなデータセンターの建設に遅れが生じれば、シンガポールのAI関連エレクトロニクス製品の需要が軟化する可能性もあるとした。
(注)NODXは、国内で生産された石油関連製品を除く輸出額。シンガポールの主な輸出指標とされる。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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