G7サミット、国際危機対応で共同声明、高市首相とトランプ大統領が懇談

(フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、EU)

調査部米州課

2026年06月19日

フランスのエビアンで6月15~17日、主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開催された。G7参加国に加え、世界銀行、アフリカ開発銀行、ブラジル、韓国、エジプト、インド、ケニア、ウクライナおよび一部の中東諸国の首脳が招待国として参加した。

今回のサミットは、ロシアによるウクライナ侵攻や中東紛争をはじめとした国際危機への対応から、世界的な経済不均衡の是正、持続可能で包摂的な経済成長、国際的なパートナーシップの再構築、経済安全保障の強化などについて幅広く議論がなされた。参加国・地域は計9項目の共同声明を採択し、具体的な取り組みを進めることで合意した。

地政学的問題に関する共同声明では、ドナルド・トランプ大統領がホルムズ海峡の再開を含むイランとの和平合意を成立させたことを支持し、ロシアに対する石油やガスを含む制裁措置を強化することが述べられた。中東では、ホルムズ海峡における海上交通の再開を促進することに加えて、ホルムズ海峡への世界的な依存による脆弱(ぜいじゃく)性を低減し、エネルギー供給ルートの多様化を加速させるとした。また、インド太平洋での武力行使や威圧に対する反対の立場を再表明し、北朝鮮の非核化や拉致問題解決に向け対処することを強調した。

重要物資のサプライチェーン確保に関する共同声明では、⾮市場政策や慣⾏、経済的強制、特に重要鉱物とその関連する軍⺠両⽤品に対する恣意(しい)的な輸出制限や報復措置の使⽤について、深刻な懸念が表明された。具体的な措置として、G7諸国とパートナー諸国が緊密に協力し、レアアースおよび永久磁石について、単一供給国への依存度を2030年までに60%未満に大幅に削減し、可能な限り早期に50%の達成を目指すことが示された。また、供給危機の予測と管理を円滑化し、価格の不安定化を防ぐため、需給の混乱などに関するデータや警報を、G7諸国および同志国と共有する協力体制を構築するとした。これは、高市早苗首相が提案したG7各国備蓄制度立ち上げ支援や、制度の相互連携を内容とする「共同備蓄連携構想」が盛り込まれたかたちだ。高市首相は、日本がG7の中で唯一、民生用途での「重要鉱物の備蓄制度」を有する国であることから、その経験やノウハウを提供することを提案した。

日本外務省の発表によると、高市首相は6月16日、トランプ大統領と懇談し、関税に係る日米合意の着実な実施の重要性をあらためて確認し、双方で協力を進めていくことで一致した。また両首脳は、中国を含め、インド太平洋の情勢について意見交換を行い、今後も、インド太平洋や中東をめぐる国際情勢への対応で緊密に意思疎通を続けていくことを確認した。また、高市首相は翌日の記者会見で、「国際情勢が激動して不確実性が増す中、日本の国益を最大化するためには、強固な日米同盟が不可欠である。今後も質の高い日米協力を進めると同時に、米イラン間の合意とそれに伴う情勢を見極めたい」と述べた。

(清野華蓮)

(フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、EU)

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