スリランカ、政策金利を8.75%へ引き上げ、通貨安と燃料輸入増による経済圧力への対策
(スリランカ)
コロンボ発
2026年06月02日
スリランカ中央銀行は5月25日、対ドルでのスリランカ・ルピー(以下、ルピー)の前年比下落率が5月15日時点の4.5%から22日には7.2%へ急拡大し年初来で最大の下落幅を記録したことを受け、予測される物価上昇への対策としてオーバーナイト政策金利(Overnight Policy Rate:OPR)
を100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げ、8.75%とした。
背景には、中東情勢の緊張という外部ショックにより燃料輸入の増加と通貨安が重なり、マクロ経済への圧力が強まっていることがある。同国ではエネルギー輸入依存度の高さから為替動向が企業のコスト構造に直結し、輸入原材料に依存する製造業やエネルギー多消費産業では価格変動リスクが高まっている。
具体的には、2026年3月の輸入額21億3,407万ドルのうち燃料は6億3,011万ドルと3割弱を占める一方、車両輸入は3,181万ドルにとどまり、外貨流出抑制を目的とした規制措置の影響がみられる。こうした中、政府は2026年5月の燃料価格改定から3カ月間、総額600億ルピー(約288億円、1ルピー=約0.48円)の燃料補助制度を導入し生活コスト上昇の抑制を図るが、財政負担拡大も懸念される。また、スリランカ中央銀行も5月に車両ローンの貸出価値比率(Loan to Value:LTV)上限を乗用車40%、商用車60%に引き下げ、輸入需要の抑制を図っている。
こうした状況の中、アヌラ・クマーラ・ディサーナーヤカ大統領は5月22日の演説で「現在の国際的な圧力にもかかわらず、2022年のような経済危機は再発しない」とアピールし、平静を呼びかけている。
(ラクナー・ワーサラゲー、志鎌大介)
(スリランカ)
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