中国、定年退職後再雇用に係る暫定規定を発表
(中国)
北京発
2026年06月02日
中国の人力資源・社会保障部など5部門は5月10日、「定年超過労働者の基本権益保障暫定規定
」を発表した(人力資源・社会保障部ウェブサイトへの掲載日は5月25日)。本規定は、法定退職年齢(注)を超えた労働者(以下、定年超過労働者)における労働者権益の保護、雇用主義務の明確化を目的に制定された。7月1日から施行される。
規定では、定年超過労働者が雇用主による労働管理を受け、有償労働に従事する場合、本規定を適用するとしている。また、関連規定にのっとり早期退職した労働者が、退職後に再雇用される場合も本規定を適用するとしている。さらに、規定では雇用主は定年超過労働者の知識、技能、経験などに応じて適切な職務を提供することとし、人材サービス機関が就業意欲を持つ定年超過労働者に対し就業支援を提供することを推奨するとした。
具体的には、雇用主は定年超過労働者を雇用する場合、書面による雇用契約を締結し、「契約期間」「職務内容」「勤務地」「勤務時間」「休憩・休暇」「労働報酬」「社会保険」「労働保護」「労働条件」「職務上の危険に対する防護措置」を契約に明記することとしている。また、雇用主は「労働報酬」「休憩・休暇」「安全・衛生」「労災への保障」に関し労働者の基本的権益を保障しなければならないとしており、原則として残業はさせてはならないとしている。労働報酬については具体的金額もしくは算定基準、支払い周期、支払い時期、支払い方法などを明確に定め、最低でも月1回、貨幣で支払いを行うこととし、現物や有価証券などで代替したり、理由なく支給を遅延させたりしてはならないとした。さらに、雇用主は定年超過労働者を労災保険に加入させ、保険料は雇用主が負担することとしている。
そのほかに、年金(養老保険)受給者や医療保険の退職後受給者は、就労後も各保険の受給待遇に変更はないものとした。また、未受給者は保険の継続加入を選択することができ、雇用主と合意した場合、雇用主が関連規定に基づき当該労働者の保険料を源泉徴収のうえ納付することも可能としている。
中国国務院によると、1962~1972年の中国の年平均出生数は2,669万人、累計出生数は約3億人とされている。この年代の人々が今回規定の対象となっている。
(注)中国は2025年1月から法定退職年齢の段階的引き上げを開始した(2024年9月20日記事参照)。2025年から2040年までの15年間で、法定退職年齢を男性従業員は満60歳から満63歳へ、女性従業員は工人(ワーカー)が満50歳から満55歳、幹部は満55歳から満58歳へ引き上げるとしている。
(亀山達也)
(中国)
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