シンガポールのスタートアップのVC調達額、2025年は前年比34%減
(シンガポール)
シンガポール発
2026年06月15日
シンガポール企業庁(エンタープライズ・シンガポール)が5月28日発表した「2025年シンガポールのベンチャー資金調達概況
」によると、同国のスタートアップのベンチャーキャピタル(VC)調達額は、2025年は46億米ドルと前年比34%減少した。投資件数も472件と前年比35%減だった。ただ、シンガポールは東南アジア主要6カ国のスタートアップへの投資額の72.5%を占め、域内最大の資金調達拠点としての地位を維持した。
東南アジア主要6カ国のスタートアップのVC調達額は、2022年の165億米ドルから、2025年に63億米ドルへと下降トレンドにある。シンガポールのスタートアップのVC調達額も2022年の106億米ドルから2025年に46億米ドルへと縮小した(添付資料図1参照)。レポートによると、金利高など資金調達コスト上昇から、投資家の慎重な姿勢が広がり、投機的な投資が抑制されている。シンガポールのVC調達額に占めるレイターステージ(後期)のスタートアップの資金調達の割合は2024年の51.4%から2025年に57.8%へと拡大している。
シンガポールのスタートアップのVC調達額の分野別では、フィンテックが前年比34%増の16億7,600万米ドルと、最大だった(添付資料図2参照)。国際決済サービスを提供するエアウォレックス(AirWallex)と保険テックのボルテック(Bolttech)による調達額が、フィンテック分野の資金調達額の約45%を占めた。
AIへの投資が分野横断的に拡大
2025年は分野を横断してシンガポールの人工知能(AI)への投資が活発だった。AIのVC調達額は2024年の11億米ドルから、2025年に14億米ドルへと拡大した。AI関連の投資は、シンガポールのVC調達額の30.8%を占めた。
生成AIの普及に伴い、法人向けソフトウエア・データインフラ分野の投資は2024年の22億米ドルから、2025年に10億米ドルへと大幅に減少した。生成AIによる業務自動化で、必要な人員が減り、ユーザー数課金型の従来のサース(SaaS)モデルの需要が縮小している。
(注)「2025年シンガポールベンチャー調達概況」は、会計大手アーンスト・アンド・ヤング(EY)傘下のコンサルタント部門であるEYパルテノンが、シンガポール企業庁と協力して作成したレポート。
(本田智津絵)
(シンガポール)
ビジネス短信 0750a74c17e162f7





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