トルコ大統領がカザフスタンを訪問、経済・物流の連携強化

(カザフスタン、トルコ)

タシケント発

2026年05月22日

トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は5月13日から15日まで、カザフスタンを公式訪問した。エルドアン大統領は14日の記者会見で、カスピ海横断国際輸送ルート(TITR)は現代のシルクロードに匹敵すると重要性を強調。TITRを西欧向け貨物およびエネルギー輸送路としてPRし、カザフスタン産石油の、トルコ経由での世界市場への輸出を促進する狙いだ。

エルドアン大統領は5月14日にアスタナで開催されたカザフスタン・トルコ・ビジネスフォーラムの場で、両国間の貿易総額を150億ドルに引き上げる目標に触れた。同内容は、2025年7月にカザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領がトルコ訪問した際の第5回ハイレベル戦略協力会合(2025年8月5日記事参照)で掲げられた。

トカエフ大統領は、アスタナ国際金融センター(AIFC)にトルコ企業73社が進出した実績をアピールして、両国企業はこれまで総額76億ドルに上る142件の共同プロジェクトを実施したとし、両国の強固な経済関係を強調した。トルコ企業がカザフスタンのインフラ関連事業で存在感を強める一方、カザフ企業はトルコのデジタル関連事業に進出している。カザフスタン統計局によると、2026年5月1日時点で3,764社のトルコ系企業がカザフスタンで活動しており、外国企業として第4位を占める。

同日にアスタナで行われた第6回ハイレベル戦略協力会合では、両大統領が共同議長として貿易、物流、エネルギー、医療、鉱業、文化、教育、技術、および防衛産業の各分野での協力を確認した。

15日には、カザフスタンのテュルキスタンでテュルク諸国機構(OTS、注1)非公式首脳会合が開催された。トルコ、カザフスタンの大統領に加えて、アゼルバイジャン、キルギス、ウズベキスタン、北キプロス(注2)から大統領が出席した。「テュルク世界ビジョン2040」の目標に沿って、諸国連帯および戦略的協力のさらなる深化を目指す旨を確認した。

エルドアン大統領は、「ユーラシアの平和の鍵・テュルク世界」と題したカズインフォルム通信への寄稿(5月14日)の中で、ガザでの人道危機に触れ、地域紛争は当該地域の国々が主体となって解決すべきと主張。トルコはOTSをはじめとする国際機関や近隣諸国との共同イニシアチブに常に前向きだと述べた。国連の構造的課題、紛争解決、持続的経済発展といった重要分野において、カザフスタンとの協力関係は、トルコ外交において特別な位置を占めると結んだ。

今回の公式訪問について「タイムズ・オブ・セントラルアジア」(5月15日)は、カザフスタンの対トルコ関係は、親密な雰囲気を醸す一方、本質的には実利重視であり、多角的外交政策の一端であると評した。

(注1)テュルク諸国機構は、2009年10月3日にテュルク語圏諸国協力会議、またはテュルク評議会の名称で設立されたテュルク語圏諸国の国際組織で、2021年11月12日にイスタンブールで行われた首脳会議で現在の名称に変更された。トルコ、アゼルバイジャン、カザフスタン、キルギス、ウズベキスタンの5カ国が加盟している。

(注2)北キプロス・トルコ共和国は、トルコのみが国家承認している。日本を含めて国際的には未承認。

(竹内アイシェギュル)

(カザフスタン、トルコ)

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