トルコ、海外からの投資誘致に向けた新施策を発表
(トルコ)
イスタンブール発
2026年05月07日
トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は4月24日、「トルコの世紀 投資のための強力な拠点プログラム」会合で、対内直接投資(FDI)を促進するための法的・行政的・財政的・制度的改革を包括的に進める新施策を発表
した。近く、法案として国会に提出される予定。
同大統領は、地政学的な緊張が高まる中、トルコが地域のエネルギーおよび貿易回廊における安定的な中核拠点としての地位を再確立したと述べた。新施策の内容は次のとおり。
〇税制優遇支援
- イスタンブール金融センター(IFC)内のトランジット貿易に係る法人税減免を50%から100%に拡大(適用期間20年間)
- IFC外のトランジット貿易収益の95%非課税化(同20年間)
- 高度専門職の給与所得税特例措置
〇国内生産・輸出および外貨獲得支援
- 法人税率の大幅引き下げ:トルコの製造・輸出企業は25%から9%、その他、輸出企業は25%から14%へ
- 過去3年間トルコで納税義務がない非居住者は、海外所得に対し非課税(今後20年間)
〇会社設立やビザ取得などの投資関連手続きが、一元的かつデジタルで実施可能な「ワンストップ投資窓口」の開設
〇海外資産、金、証券の低税率によるトルコ国内への回帰
〇起業・スタートアップ支援
- ソフトウエアやITなどを行う起業家に対し海外収益の全額非課税
- デジタル企業制度、ストックオプション、転換社債制度の整備
- 起業家育成を目的とした「ターミナル・イスタンブール計画」
- 戦略投資に対し将来の税制変更による不利益を避けるため案件ごとの個別保証
今回の施策について、トルコ国内の産業界や投資家からは、過去最大級の税制優遇と投資手続きの一元化を打ち出したとして評価の声がある。税制優遇などがトルコへの進出の後押しになるとの肯定的な意見もあるが、一方でボラティリティー(変動性)やインフレの安定がまず重要との見方もある。例えば、金融セクターではシステム開発に伴う初期投資が大きいほか、人件費などの継続的なコストと収益とのバランスにも考慮が必要という指摘だ。
トルコ大統領府投資・財務局東京事務所カントリーアドバイザーの青木雄一氏は「今回発表された制度の早期導入により、投資企業への支援を強化し、事業投資やトルコの成長を実現していきたい」としている。
トルコ大統領府投資・財務局は、トルコへの投資を検討している企業に各種の支援
を行っている。同国のメフメット・シムシェキ国庫・財務相は施策の詳細を発表している(2026年4月27日付国営アナドル通信
)。
イスタンブール金融センターの案内模型(2026年1月22日同センター内、ジェトロ撮影)
(井口南)
(トルコ)
ビジネス短信 f9f93bdfd6d6801f





閉じる