日本のディープテック18社、米企業・政府プログラム関係者らと交流
(米国)
サンフランシスコ発
2026年05月22日
米国シリコンバレーで4月29日、「ディープテック・コネクションズ・アライメント・サミット
」が初開催された。会場には、スタートアップへの出資、協業、技術探索を行う企業や、技術実証や研究開発支援に関わる米国政府関連プログラムの関係者、起業家などが集まった。
航空宇宙・ディフェンステックを専門とするベンチャー・キャピタル(VC)大手のロッキード・マーティン・ベンチャーズ、半導体分野を専門とするVC大手のラム・キャピタル、米国連邦政府スモール・ビジネス・イノベーション・リサーチ(SBIR、注1)プログラム、スペースワークス(SpaceWERX、注2)などが参加。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)およびジェトロの支援により、日本のスタートアップ18社(注3)も参加した。
会場の様子(左)、会場に設置されたジェトロ・NEDOのブース(右)(ともにジェトロ撮影)
参加者は、人工知能(AI)・自律技術・サイバー、宇宙、ヘルステック、先端製造・材料、エネルギーの5分野に分かれ、政府・大企業・資本の仕組みに詳しいプリンシパル(注4)を中心に、導入や協業を進める上での障壁と糸口を議論した。
宇宙分野には、日本から小惑星探査を手掛けるオフラクタル(Ofractal、旧社名フセキ)や三菱重工業の北米担当者などが参加。高度な技術を有するスタートアップが多い一方、技術と政府・運用側のニーズが十分に接続されていない課題が共有された。オフラクタルは「本サミットでの意見交換を通じ、将来の宇宙探査で求められる構想を初期段階から直接くみ取り、それらを確かなミッションへとつなげる重要性を再認識できた」と述べた。
先端製造・材料分野に参加した、自動倉庫システムを手掛けるレナトスロボティクス(Renatus Robotics)のグローバル展開責任者の竹内耀大氏はジェトロに対し、ソフトウエア側から課題解決を図る企業と、ハードウエア側からアプローチする同社の間に共通する課題感を確認できたと述べた。また、米海軍SBIRのディレクターは、スタートアップ側から制度上の障壁について意見を得たとし、対応可能な点は改善につなげたいと考えを示した。
分科会の様子(ジェトロ撮影)
翌日は、日本のスタートアップの米国への進出拠点であるジャパン・イノベーション・キャンパス(JIC)で、同サミットに参加した日本、スウェーデン、カナダのスタートアップや政府関係者によるネットワーキングイベントが開催された。商業技術の導入と活用を進める米国政府の公募事業に関する観点や、外国企業が米国市場に参入する際の課題が説明され、参加者間の交流が行われた。
(注1)米国政府機関が中小企業の研究開発を支援する制度。連邦政府の研究開発ニーズに応える技術開発や、研究成果の商業化を促すことを目的とする。
(注2)米宇宙軍のイノベーション組織。宇宙関連の新興技術について、中小企業向け研究開発資金などを活用し、技術の育成や実証、導入支援を行う。
(注3)BlocQ
、NanoQT
、LQUOM
、Diarkis
、KLダイナミクス(KLDainamix)
、アカンパニー(Acompany)
、オフラクタル(Ofractal)
、JiMED
、ルーテン(Ruten)
、ソニア・セラピューティクス(Sonire Therapeutics)
、Provigate
、Humanity Vision
、マッスルブループリンツ(Muscle Blueprints)
、ビジョンフォー(VISION IV)
、レナトスロボティクス(Renatus Robotics)
、3D Architech
、ルミライト(Rumi Light)
、京都フュージョニアリング(Kyoto Fusioneering)
(順不同)。
(注4)今回のサミットで、分野別の議論を支える専門家。業界知識やエコシステムへの理解を基に、商業市場、政府側の優先課題、資本の流れをつなぎながら議論を整理する役割を担った。
(武田史織、蟹江燎真)
(米国)
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