英国で大規模送電プロジェクトの早期建設資金承認、低炭素電源の系統接続を加速
(英国)
ロンドン発
2026年05月21日
英国政府機関のガス・電力市場局(Ofgem、エネルギー部門の規制機関)は5月12日、スコットランドの大規模送電プロジェクト10件の早期建設資金(ECF)を承認したと発表
した。低炭素電源の系統接続を加速する狙いだ。
ECFはOfgemが送電事業者に直接資金を提供する仕組みではない。Ofgemが各送電事業者の事業計画に基づき、一定の期間における収入上限を定めるRIIO(Revenue = Incentives + Innovation + Outputs)制度(2022年12月6日記事参照)の枠組みの下で、将来回収される費用において先行投資を行うための資金を送電事業者が確保するものだ。これは国際的な獲得競争が予想される、変電所設備や高圧直流ケーブルなどの需要が高い主要部材の早期調達に用いられるほか、用地取得、設計、測量、初期の建設作業にも充てられる。
英国政府は「クリーンパワー2030アクションプラン
」で、(1)英国で消費される総量と少なくとも同量の低炭素電力を供給し、(2)英国で発電される電力の少なくとも95%を低炭素電力とする、という2つの目標を掲げている。この目標達成には電源開発だけではなく系統接続の早期化も課題となるが、足元では電力系統の容量不足による接続待ちが発生している。現地アナリストからは系統接続を考慮すると2030年目標の達成は極めて困難との指摘もある(1月14日付BBC)。Ofgemは今回ECFを承認したプロジェクトについて、計画承認や建設が予定どおり進めば、2030年までの運用開始が期待されるとしている。
英国政府、洋上風力発電プロジェクト3件を開発許可
英国政府は5月14日、洋上風力発電プロジェクト3件の開発許可を発表した(1件目、2件目
および3件目
の概要は英国政府ウェブサイトを参照)。ドイツのエネルギー大手RWEとアラブ首長国連邦(UAE)の再生可能エネルギー大手マスダールの合弁会社によるイングランド北東部沖のドッガーバンク・サウスイースト〔1.5ギガワット(GW)〕、ドッガーバンク・サウスウェスト(1.5GW)の2件、およびRWEと英国の電力会社SSEの合弁会社によるイングランド南東部沖のノース・フォールズ(約1GW)のあわせて3件で、合計出力は約4GWに及ぶ。
(齊藤圭)
(英国)
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