4月のインフレ率は前年同月比3.48%、食品価格が押し上げ

(インド)

ムンバイ発

2026年05月15日

インド統計・計画実施省(MoSPI)が5月12日に公表した2026年4月の全国ベースの消費者物価指数(CPI、注1)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は105.12ポイント(速報値、2024年=100)で、前年同月比の上昇率は3.48%だった。これは、3月(3.40%)から0.08ポイントとわずかな加速であり、基準年を2024年に改定した2026年1月以降、4カ月連続の加速となった(添付資料図参照)。

部門別では、食品インフレ率(注2)が4.20%と前月(3.87%)から大きく上昇し、全体のインフレ率を押し上げる要因となった。地域別では、都市部のCPI上昇率は3.16%(前月比0.05ポイント増)、農村部は3.74%(同0.11ポイント増)と、農村部の方が前月からの上昇幅が大きかった。農村部は食料品支出の比重が高いため、食品価格上昇の影響を強く受けたとみられる。一方、電気・ガス・光熱などのインフレ率は比較的落ち着いており、インド政府がガソリンや軽油の価格上昇を抑制していることが要因として考えられる。

インフレ率は依然として、インド準備銀行(RBI、中央銀行)が定める物価安定目標(4%±2%)に収まっている。しかし、足元では食品価格を中心にインフレ圧力が強まりつつあり、今後の金融政策に影響を与える可能性も想定される。今後の動向は、南西モンスーンの降雨状況や国際原油価格によって左右されることが見込まれる。特に食料供給を左右するモンスーンは、食品価格の安定性に直結するため、引き続き注視が必要である。

コタック・マヒンドラ銀行チーフエコノミストのウパスナ・バルドワジ氏は、「4月のインフレ率は想定を下回る結果となったものの、先行きは依然として不透明であり、上振れリスクへの懸念は充分にある」との見解を示した(「タイムズ・オブ・インディア」紙5月13日)。

(注1)全国ベースのCPIは、基準年2024=100とし、農村部と都市部の各指数を加重平均したもの。

(注2)ここでは、CFPI(消費者食品物価指数)の上昇率を記載。

(野本直希)

(インド)

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