デジタル化進むバングラデシュ、「BanglaBiz」のJICA担当者に聞く

(バングラデシュ、日本)

ダッカ発

2026年05月12日

バングラデシュでは、投資や通関・許認可手続きのデジタル化が進む。従来は、投資認可を含む各種許認可と通関、港湾手続きはそれぞれ別の窓口で手続きをする必要があったが、現在はシングルサインオン(注)を軸に、関係機関をまたいだオンライン手続きへの移行が進んでいる。国際協力機構(JICA)とバングラデシュ投資開発庁(BIDA)が協力して開発した、投資関連手続きを統合するシステム「BanglaBiz外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」について、JICAバングラデシュ事務所の岡本宇弘氏に話を聞いた(ヒアリング日:4月22日)。

BanglaBizでは、BIDA、経済特区庁(BEZA)、輸出加工区庁(BEPZA)、ハイテクパーク庁(BHTPA)といった主要な投資促進機関のシステムが段階的に統合されていく予定だ。さらに、会社設立から査証・労働許可の取得、銀行・貿易関連手続きに至るまで、複数の政府機関にまたがっていた申請手続きもBanglaBiz経由で一元化されることになる。これまで、企業は申請のたびに関係機関を訪問する必要があり、不透明かつ非効率な運用が課題となっていた。今後はBanglaBizを通じて、申請から承認までオンラインで完結できるようになる。岡本氏はジェトロの取材に対し、「BanglaBizはバングラデシュ政府による投資環境改善の目玉事業の1つだ。システムはまだ開発途上にあるが、バングラデシュ政府が今後さらなるアップデートを進めていく。実際に利用した企業から忌憚(きたん)のないフィードバックをいただきたい」と話した。

なお、BanglaBizのほかにも、通関・許認可手続きを担う「Bangladesh Single Window(BSW)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」、港湾手続きを一元化する「CPA Sky」などのデジタル基盤整備が進んでいる。BSWは、輸出入許可、証明書、通関申告など貿易関連手続きの電子化を担うシステムだ。環境局、医薬品局、輸出振興局など複数機関のシステムが連動しており、輸出入貨物に必要な証明書・許可証・ライセンス(CLP)についてオンライン提出が可能だ。さらに、チッタゴン港湾局が2026年2月に始動したCPA Skyは、港湾、税関、国家歳入庁(NBR)関連サービスを統合し、船舶・貨物情報がリアルタイムで可視化されている。

BanglaBiz、BSW、CPA Skyの3基盤の接続により、BanglaBizでの投資承認後はBSWで輸入関連手続きを済ませ、CPA Skyで港湾搬出入を処理、その後の操業・送金・輸出局面でも再びオンラインで必要手続きを進める流れが明確になりつつある。制度の定着には引き続き運用面の検証が必要だが、これらのシステム導入により、手続きの透明性の向上ほか、手続きにかかる時間・コストの削減につながることから、特に製造業や輸出志向型企業の実務負担軽減が期待される。

(注)1つのID、1回のログインで複数のサービスを利用できること。

(ショリフル・アロム、箕浦智崇)

(バングラデシュ、日本)

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