官民共同投資ファンドによる産業高度化に向けた資金調達支援を強化
(マレーシア)
クアラルンプール発
2026年05月26日
マレーシア証券委員会(SC)は5月15日、マレーシア投資貿易産業省(MITI)と共同で、クアラルンプールにおいて「新産業マスタープラン(NIMP 2030)戦略的共同投資ファンド(NIMP CoSIF)ロードショー」を開催した。産業高度化に向け官民共同投資ファンドによる資金調達支援を強化する。同ロードショーでは、官民共同投資ファンドであるNIMP CoSIFの認知向上を目的とし、資金調達手段としてエクイティ・クラウドファンディング(ECF、注1)およびピア・ツー・ピア(P2P)ファイナンス(注2)の活用機会が紹介された。
NIMP CoSIFは、産業の高度化および国内企業の成長強化を目的とした「新産業マスタープラン(NIMP) 2030」(2023年9月7日記事参照)に基づくインセンティブであり、企業の資金調達機会の拡大や民間投資の促進を図るものである。対象は国籍を問わず、要件
を満たす中小・中堅企業で、NIMP 2030の重点分野・ミッションに合致するプロジェクトを実施していることなどが求められる。製造業の場合は、製造ライセンスまたは同ラインセンスの免除証明書の保有も必要となる。NIMP CoSIFの共同投資額は、分野別の比率に基づき決まる。重点分野(航空宇宙、化学、電気電子、医薬品、医療機器)や新成長分野では、民間投資額と同額を政府が拠出する1対1の比率で、1案件当たり最大2,000万リンギ(約7億8,000万円、1リンギ=約39円)となる。その他の分野では、政府拠出1に対し民間投資2の比率で、最大1,000万リンギとなる。
企業は、指定された7つのECFおよびP2Pプラットフォームを通じて資金調達を申請できる。対象プラットフォームは、ECFではCrowdo、Leet Capital、MyStartr、Pitch Plaforms、P2PではBay Smart Capital Ventures、B2B Finpal、Modalku Venturesだ。これらのプラットフォーム上で資金調達キャンペーンを実施し、目標額を達成した上でNIMP CoSIFの要件を満たした場合、分野別の共同投資比率に基づいてマレーシア政府が共同投資を行う。
MITIによると、同ファンドが立ち上げられた2025年2月から同年末までに、同ファンドを通じた資金調達は59件、総額2,958万リンギに達した。その内訳は、ECFが4件で1,420万リンギ、P2Pが55件で1,538万リンギとなった。また、2026年度の国家予算では、NIMP CoSIFに前年比52%増の2億リンギが配分された。
NIMP CoSIFに関する説明の様子(ジェトロ撮影)
(注1)株式の発行を通じて資金を調達し、投資家が株主として企業成長に参画する仕組み。
(注2)企業が投資家から資金を直接借り入れ、利息または利益を付して返済する資金調達手法。
(戴可炘)
(マレーシア)
ビジネス短信 e3f785c97b40551f





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